行く末トーキー

はじめからはじめよ

向上心 ― MANKAI STAGE A3! ACT2 AUTUMN 2023

地に足の付いた感覚、とてもよろしい。

鑑賞の記録

  • タイトル:MANKAI STAGE A3! ACT2 AUTUMN 2023
  • 日時:2023/12/20 12:30
  • 場所:日本青年館ホール

てことでようやく1階席。2階席だけやたら高いよね? 全体的に低くする訳にはいかなかったんだろうか。

同じ作品を何度も繰り返し見ていると、今までスルーしてきた部分に目が届くようになる。たとえば、秋組にとって「向上心」って何なんだろう? みたいな。秋組に限らずか。

今回の主演を務めた太一くんと十座くんは、どちらも「今の自分ではダメだ」と口にする。2人の向上心は自己否定から来ている。雄三さんに「胸張って演じろ」とか「目をそらすの止めろ」と言われても、秋組から背中を押されるまではどうにも自信が持てずにいた。

一方で万里くんの言う「まだまだこんなもんじゃねぇ」とか「もっとすげー景色」とかは、多分2人とはルーツが違う。向上心は向上心なんだけど、自分(たち)の実力を認めた上でさらなる高みを目指している感じがする。この違いってどこから来るんだろう?

もちろん万里くんだって今の自分に足りないものがあることは理解している。でもなんか太一くん・十座くんとは違うような気がしてならない。掘り下げる・積み上げる方向と、幅を広げる方向の違いだろうか。今の自分がどこにいるのか、何ができるかをしっかり理解しないと幅も広げようがないから、自己否定から来る向上心は迷走を招きがちになる……みたいなことを考えていた。

十座くんが万里くんへの対抗心を持ち続けているのも不思議だなと感じる。ブラッドが本当に兵頭十座の写し身なら、万里くん(ダスト)が何をしてこようとも「街の平和を乱す敵」≒「自分の世界を侵す存在」以上の認識は持てないのでは? でも十座くんは万里くんに対してものすごく反発する。役者としての万能さを求めながらも「まんま万里じゃねぇか」というツッコミには「あいつになりてぇ訳じゃねぇ」と即答する。今まで「そういうものだ」と思ってたけど、改めて考えるとなんだか不思議だ。

あとさ~~~~~~やっぱりマックスのラストはどういう意図なのか掴みきれない。あそこの表情めっちゃ見たい。「ヒーロー」の言葉すべてが皮肉だとも取れるし、ブラッドにこの程度の称賛しかかけられない自分を嘲るようでもあり。マックスも私腹を肥やす側だったり……するのか……? ステに来るとどの役も解像度がぐっと上がる。でも饅頭拳はサイドストーリーが分厚すぎてちょっと気が散った。私が見る回のハン兄貴は可食性を付与されがち。よっこらショータイム回には当たったことないんだよな~。あれも見たい。

中庭のシーン、万里くんは結構長いこと太一くんを見守っていると初めて気付いた。今まで角度的に見えなかったから、太一くんを見かけてすぐに褒めてるのだとばかり。実際は太一くんとほぼ同じタイミングで外に出てきてる。

なんだろう、今までの秋単とは違う感じがする。左京さんの出番が控えめだから私の頭も比較的冷静な状態を維持しているのかもしれない。でも客降りで近くを通った後に一拍置いてふわっとあの香水が香るのには毎回きゅんとする。あの絶妙な間はどうやって生まれてるんだろう。

……てかもしかしてこれが2023年ラスト現場だったりする? 見たのはマチネなのにブログがこんな時間になっている。あまりにも忙しい。でも29日の総まとめ記事は出す。今年本当に激動の1年だったんだよ~。まだ激しく動いている。だからこんな時間。寝なきゃ。