行く末トーキー

はじめからはじめよ

並び立つ ― MANKAI STAGE A3! Act2! Autumn 2023

秋が終わってしまう~~~~!

鑑賞の記録

  • タイトル:MANKAI STAGE A3! Act2! Autumn 2023
  • 日時:2023/11/18 18時
  • 場所:TOKYO DOME CITY HALL

端的に言うと私が足りない。単独行見る私と、秋単見る私と、仕事する私と、ひたすら惰眠を貪る私が必要。TDC無理かと思ったよ~~~~行けてよかったよ~~~~~!

タイトルを正確に書くことは諦めた秋単2023。伝わればOKの精神で行こう。

雑感

実家のような安心感。刀ステも実家といえば実家なんだけど、あっちは毎回焼け野原の上に家建てて最終的にまた燃やしてる感じがしてどうにも落ち着かないんだよね。いつも最初は土地しかない。エーステは建物も含めて実家だからほっとする。

ともかく。

これまでのエーステを踏まえつつどんどん新しい挑戦を取り入れてて、見るたびに安心と驚きがある。あとなんか1フレーズだけ夏単を感じた気がする。照明や音響で「あ、あの時の」って気付けるように作られている。もちろん「あの時」の情景も重なる。2幕、十座くんのソロの裏で流れてるのは多分AW2019の万里くんのポートレイトと同じ曲。もう4年?経つんだね。懐かしい。互いに互いを追いかけている関係が台詞以外でもビシバシと伝わってくる。

それはそうと、曲の感じとか演出とかにそこはかとないヒプステを感じたんだけど、制作陣重なってる? ドローン出てきた時は結構びっくりした。しかもあれもちゃんとカメラ仕込まれてるし。今あれ流行ってるのかな。面白くはあるけど何を見たらいいか分からなくもなるので、私は使わない方が好きかなぁ。

春が家族、夏が友達、冬が運命共同体。その括りで言うと秋は「仲間」らしいんだけど、私から見た秋組はいつだって「ライバル」と言われた方がしっくり来る。常に対等だし、対等であろうとする6人。その対等さを誰よりも強く求めているのが、誰よりも先を行く万里くんなところにグッと来る。1人で歩くことの味気なさを知っているから、共に進む相手を求めてやまない。でも馴れ合いたい訳ではない。ぶつかって、磨き合って、競うように前に進みたいんだっていう渇望が端々から伝わってくる。

秋単はいつも左京さん左京さんって左京さんの話ばっかりになってしまうんだけど、今回は左京さんの番手が控えめなので全体にも目を配れた。莇くんの芝居の幅が広がってるとか、太一くん何気に今までで一番難しい得物(ヌンチャクっぽいもの)使ってないかとか、104が初めて真っ向から殺陣やってるとか、臣くんのお兄さんムーブとか。

何より、このタイミングで万里くんと十座くんが初めてバチバチに敵対する関係を演じることの意味が原作以上に伝わってくる。別に、敵対させるだけだったら最初から可能だったはず。素であんなにいがみ合ってる訳だし。でも、それを芝居として昇華させるには時間が必要だった。十座くんが自分という存在を理解して、そこと重なるけれど自分ではない「ブラッド」を掴み切るまで待たなければならなかった。万里くんの「来い!!!!!」がめちゃくちゃ嬉しそうなんだよなぁ……。ゲームでフォーブラが発表された時の「灯りをくれ」(十座くんの主演スキル)と「灯りを消せ」(万里くんの主演スキル)にもビビったがあの時のビビリを思い出した。どこまでも対称的で、だからこそ互いが必要な2人。どちらかが舞台に立つ限りもう片方も離れられない。

だから雄三さんが左京さんに「お前にもああいうヤツがいたらグレずに演劇続けてたんじゃねぇか」と言うのも分からなくはない一方で、じゃあ左京さんにとっての「ああいうヤツ」ってどんな性格をしてるべきだったんだろうってのは分からないままで。左京さん、自分でも言う通り心根は十座くん寄り、素行は万里くん寄りだからね。臣くんと那智くんの関係ともまた違う。本当にあの2人はあの2人でしか作れない関係がある。あまりにも特別すぎる。誰もが得られる相手ではない。大事にした方がいい……って言ったところで互いにウゲーって顔するんだろうけど、本当に特別だよなぁ。すごいことだ。

初代にやたら塩な左京さんがステでも見れて嬉しい(「邪魔するぞ」「邪魔です」は原作でも大好きなくだり)。

てかマックスの解釈ガラッと変わったんだけど!!!!!!!!!ブラッドがヒーローであることに気付くが自分ではどうにもならず、せめてもの救いになればと煙草を渡す、いわば中間管理職的な存在だと思ってたけどなんか違くない? そういうものだから仕方がないと割り切っているようにも見えるし、こういうヤツが勝手に頑張ってるから光(ヒューイたちのいる世界)の安寧が保たれて助かる、ってちょっとずるく考えているようにも見える。どっちなんだ……ブラッドとダストに囚われすぎてマックスまで頭が届かない。見るべきものが多すぎる。ずっとメインキャスト1人の舞台を見てきた直後にこれはあまりにも目が足りない。

なんだかんだでやっぱり左京さんの話をしている。次は凱旋なんだけど、そこではまた違う作品になってるんだろうなぁ。