行く末トーキー

はじめからはじめよ

漬かる ― MANKAI STAGE A3! AUTUMN 2020

なんで関東と関西でエスカレーター逆なの。

鑑賞の記録

  • タイトル:MANKAI STAGE A3! AUTUMN 2020
  • 日時
    • 2020年2月12日 14時/19時
    • 2020年2月13日 19時
    • 2020年2月14日 14時
  • 場所:AiiA 2.5 Theater Kobe

てことで2泊3日神戸の旅をしてきました。まじでエーステしかしてない。

アイア神戸

風情のない銀劇って感じだった。そして本当に何もなかった。三ノ宮のホテルに泊まったからアイアへは地下鉄で向かったんだけど、まず地下鉄を降りて駅ビル?に入った時の「うわ」感がすごい。無じゃん。そしてエレベーターで2階に上がった時の無駄にみっちみち感。建物の空白がめちゃくちゃ広いのに、なぜかトレーディングスペースが狭くてそこだけ密度がおかしい。

マチソワ間も無をうろうろするだけで終わった。せっかくだからカフェでファイルもらおうかな~と思ったのに、整理券がないと買うことすらできないという。サインパネル見てトートバック製造工程を眺めて終わった。

そして劇場すぐそばのロッカーは高い。新神戸駅(新幹線でも地下鉄でも)で500円のサイズが800円する。高い。それなら新幹線の駅まで持っていくわ……。

遠征にまつわるもろもろは多分また別の記事に書くかな。

座席位置

1階・3階・中央・上手・下手。まんべんなく分布してた。特に3階席は(今のところ)唯一の「上から眺められる」席だから結構期待してた。近くも素敵だけど、遠くから全体像を把握したい時ってあるじゃん。

東京や豊橋との差

日替わりとか細かな演技がどうとかではなく。あ、ここ変えたなってのが数箇所あった。

  • 全体的に立ち位置が中央に寄ってる(上手側の階段そばだったのが中央に変わっている、とか)
  • 迫田のチラシ配り・左京と迫田の客降り・綴と椋のチラシ配りがカミシモ逆になった
  • 太一と臣が海に行くシーンで、後ろの写真が増えてる(バイクに乗ったものは神戸から)
  • 綴と椋のチラシ配り時、十座は客席に降りてこない

中通路がない都合もあるのかな。あと公式からもお知らせがあった通り、ラストの客降りではハイタッチなし。何するんだろうなーと思ってたら、手を振ったり、手や指でハートを作ったり、臣くんはフレーム作ってくれたり、あと104組が睨み合ってたり(?)してた。左京さんの「ったく」みたいな呆れ顔ハートが見放題というある意味で殺傷能力マシマシな時間になってた。私は軽率に死んだ。

雑感

3日間4公演、本当にエーステにどっぷりだった。新幹線乗って神戸行って、マチネ前にホテル寄って荷物置いて、マチソワして、ふわっふわしたままホテルに帰って飯食ってシャワー浴びて寝る。翌日は昼間が暇だったからのんびり買い物して映画見てからソワレ。やっぱり終演後はベッド直行。14日は最後の買い出し*1してロッカーに荷物ぶちこんでマチネ、そのまま新幹線乗って爆睡して今に至る。

このブログを長く読んで下さってる方はお気づきかもしれませんが、今回、ブログ書いてないんですよ。マチソワした日は2公演分を1つの記事にまとめることがあるとはいえ、3日も溜め込んだのは初めてです。パソコンを持ってかなかったのと、書かなかったら何が起こるんだろうなーっていう興味本位です。

なんだろうなぁ……細かいところはやっぱり忘れちゃいますね。毎回全然違うものが見えてるんだけど、それら全部の印象がごちゃごちゃっとまとまってしまう。明確に日替わりだって分かってるところはTwitterなんかにメモしときましたが、それ以外はもう記憶がおぼろげです。でも、見終わってからほわほわと言葉にならない余韻に浸ったのは初めてだったな。いつもは帰りの電車の中で「今日のブログ何書こうかな~」って考えてるので。それに、連日公演を見るにしても、普段は仕事や日常生活が間に挟まるから現実に戻りやすい。今回は何もかもが「エーステを見る」ために存在するから、純粋に楽しかった。

左京さんが好きだから左京さんのことばかり考えてしまう(し、精神が左京さんを定点してて他の人があんまり目に入ってない)。秋単独のテーマは「他人と向き合うこと」だと勝手に思ってるんだけど、それって、相手のことをちゃんと見ると同時に、そこにいる「自分」を大事にしなきゃ成り立たない。秋組は最初の頃は5人とも自分の中に閉じこもっている。閉じこもっているというか、線を引いているというか、そこまで「秋組5人」としてまとまってない。これは前も書いたか。で、異邦人の頃に、椋や天馬から「向き合う」というアドバイスを貰う。

ここ、左京さんだけは「向き合う」ってキーワードを掴んでない気がして。

準主演として支えなきゃって頑張る太一、天馬から言われる万里、椋から言われる十座。そして3人から支えられる臣。左京さんはその4人を一歩引いたところから見続けている。4対1の前兆が……。

異邦人の頃の左京さんに一番考え方が近いのが万里だけど、彼もまだ左京さんが引いた線には気付いていない。離れているのが当たり前というか、自分たちの距離感はこれが普通だって慣れきっている印象を受ける。悪い意味で賢いんだよな。「臣と太一が自分で変わらなきゃ意味ねぇんだよ」って分かってるけど、それは「万里たちが関わっちゃいけない」ってことを意味しない。ここの引き具合が左京さんの「若いやつらは、(略)それで成長できる」と似てる。確かに手取り足取り教えたら台無しだから、2人の言っていることは正しい。でも、足りない。万里は天馬からのアドバイスで自分の足りなさに気付いて行動を起こしたけれど、左京さんは気付かないまま異邦人を終える。1幕ラストの左京さんの表情、すごく好きなんだけど2幕を知っていると切なくてたまらん……。

ナインが「背景」って指摘されてるのと同じように、1幕時点だと左京さんも若干背景みがあるよな。古市左京という存在がちょっと薄い。まあ日替わりは濃いが。向き合う向き合わない以前に存在が薄い。4対1ぃ……。左京さんは劇団のため、秋組のために動いてばかりで、自分がどうしたいかってのを出してない。向き合うための自己が薄い。

この差がよく出てるのが、稽古場で怒鳴るシーン。異邦人でも任侠伝でも怒鳴るシーンがあるの、対比がわかりやすくていい。異邦人の時は怒鳴りつつも冷静さを保ってる。その直前の「雄三さんに指摘された」瞬間は「チッ」みたいな顔してる*2し、背景って突っ込まれた時はムキになってるから、感情が動いてない訳ではない。けれど、スンと息を吐いて気分を切り替えてから指摘にかかる。それが任侠伝では感情任せになる。「やる気がねぇならやめちまえ!」って言った後の微妙な視線の揺らぎを見た時はちょっとぞくっとした。古市左京という人間の心がちょっと見える。これが彼なりの気持ちの見せ方なんだろうなってやっと気付いた。でも伝わらない。線が消えない。しんどいなぁ。

で、前回まではその線を踏み越えるのが十座だと思ってた。臣と同じパターンで、俺たちと向き合えよって強引に引きずり出すんだと。でも、多分それじゃ足りない。左京さん自身が踏み出さなきゃいけなくて、そのきっかけが「愛?とか、そういうもんじゃねぇっすか」っていう、古市左京が受け入れられていることを示す明確な言葉なんだと認識を改めた。っていうのも、その前の回想シーンで「家族に背を向けて生きてきた俺には その言葉がやけに懐かしく思えた」の表情がさ、泣きそうなんだよね。「愛」発言の後も涙声だし。どんだけ嬉しかったんだろう、どれだけ幸せな言葉だったんだろう……もらい泣きしてしまう……。ただ「向き合えよ」って言うだけじゃ多分変わらなくて、左京さんが一歩踏み出すためには「こちらには受け止める用意がある」っていう姿勢が必要だったんだなぁ……って帰り道でしみじみしてた。

同じこと何回も書いてるけどこれが本当に大事だと思ってるから何度でも書くよ。

で、左京さんのわがままにつながっていく訳だけど。原作だと「すっかり元通り」程度の描写が、ステではもうちょっと深く繋がった風に描かれている。それは多分、秋組だけじゃなくてカンパニー全員で探し回ったことで生まれた「家族」感なんだろうな。左京さんの感情の振れ幅も大きいから、あそこで「元通り」程度だとちょっとインパクトが薄いというか……。もう思い出すだけで心がいっぱいになってしまって上手く言葉にならないんだが、これまで頑なに「4対1」であり続けた左京さんが、自ら線を消して「5」になろうとしている生々しさに毎回死んでる。

「バラバラの1」が「4対1」になって「5」になった結果、最後の写真撮影で「摂津、早く来い」って言えるようになる。秋単の冒頭だったり異邦人の後だったりしたら、太一か誰かに呼ばれてようやく腰を上げてただろう左京さんが、自分から仲間の輪に入っていくどころか万里を呼ぶ。この何気ない台詞が、5人の関係の変化を表してる気がしてとても好き。その後の「年長者を待たすんじゃねぇ」も、からかう感じの口調で、左京さんがずっと悩んでた年齢差を彼らなりに乗り越えたってことを表してる……のかな……(書いてて自信がなくなってきた)

家帰ってきたらなんか頭ふわふわになっちゃって当たり前のことしか書けてないなぁ。

1人殺陣シーンの左京さんの目がすごいとか、麺類が帰ってきたとか、そういう話もしたいんだけど、言葉が足りなくなってきた。見たもの感じたことを言葉にするって難しい……。自分の中でじっくり熟成させても残らなきゃ意味ないんだよ~~~~。

頭の先までどっぷりエーステに漬かってみると多幸感がやばかったので、頑張って神戸行ってよかったなーって思ってます。遠征のあれこれはまた今度。

*1:旅好きかつ浪費家なので毎回お土産が仕入れレベルになる

*2:ここの表情も好き