行く末トーキー

はじめからはじめよ

演出 ― MANKAI STAGE A3! Act2 AUTUMN 2022

寒い! 耳ちぎれるかと思った。現場くらいしか外に出ないので季節の移り変わりに疎くなる。

鑑賞の記録

  • タイトル:MANKAI STAGE A3! Act2 AUTUMN 2022
  • 日時:2022/12/02 14:00
  • 場所:TOKYO DOME CITY HALL

もう冬だね~。秋単も終わりに近づきつつある。寂しい。

エーステを見ると原作の解釈がどんどん深まる。どうしてかな~と思ったけど、そもそも原作と舞台の両方をしっかり追っている+舞台のストーリーが原作準拠の作品が少なかった。身も蓋もない。

ともかく、A3!が大好きだから今回のストーリーもかなり読み返してるんだよね。小説版も持ってる。シーン1つ1つは既に見た(読んだ/聞いた)ことがあるはずなのに、何度見ても新しい発見がある。

たとえば会長さんの「子供の夢を応援したくねぇ親がいるかよ」を聞いた後の左京さんの表情。莇くんが認められて嬉しいって以上にじーんと来ているように見える。めちゃくちゃ安心して感極まってる可能性もあるんだけど、見方によっては左京さん自身が役者を続けることを認めてもらえたからとも取れるんだなと昨日くらいに突然気が付いた。

会長さん、莇くんに対して「舞台や化粧はお遊び」と言い切っているし、左京さんも左京さんで「責任は全部俺にあります」って頭を下げるから、莇くんは許してもらえても左京さんはダメって言われるかもしれなかったんだよね。けれどヤクザの世界の親子関係を重ねると「子供(左京/子分)の夢を応援したくねぇ親(会長/親分)がいるかよ」になって、左京さん自身も許された意味が出てくる。どこまで意図していたかはわからないけどね。原作で読んだ時は単純に「莇くん良かったね~~!」って喜んでばかりで全然想像もしていなかった。同じ空間に左京さんがいて、左京さんの反応も見られたからこそ気付いたというか。

あと、劇中劇の後に莇くんが志太くんに電話をかける→監督に声をかけるまでの流れ。莇くんにとって志太くんは身内以上に親しい存在で、そういう人に向けた声の調子そのままに舞台の感想を話して「すげー楽しかった」と締めくくる。つまり監督や劇団のみんなが志太くんと同じくらい安心できる相手だと分かったってことだよね? 初舞台を終えた興奮もあるんだろうけども。なんかこれに気付いた時私がジーンとしてしまった。莇くんの帰る家が1個増えたね。

莇くんのポートレイトは2つとも秋組全員(+α)が見てるのもいいよね。状況的に見てることは確実だけど、舞台の上でちゃんと表現されているのが嬉しい。同じものを見てどんな表情になるか確かめられるってすごく贅沢だしありがたい。

もちろんステで表現されるものはステの制作陣+役者さんが解釈したキャラクター像であって、原作で表現したいキャラクター像そのものではないんだけど、それでもやっぱりナマで立ち上がるからこその情報量はたまらないよね。この人はこの時こんな顔するんだってのを見つけるために劇場に行くみたいなとこある。左京さんの話ばっかりしてるけど左京さん以外も見てる……よ……? 多分。見てるはず。タイムラインに流れてくる秋単の感想がどれも見覚えなさすぎてびっくりしてるけど。

これが演出の効果なんだろうな~~~~ってのを身をもって体験してるから原作への理解も深まる。原作→ステ→原作の無限ループが止まらん。原作を読んで考えたことを抱えて劇場に行って、見たものを加えて更に深めていくのがすごく楽しい。ステから原作入れてよかったなぁ。