行く末トーキー

はじめからはじめよ

同じ時を刻む ― MANKAI STAGE A3! ACT2 SPRING 2023

タイトルこれで合ってる?

観劇の記録

  • タイトル:MANKAI STAGE A3! ACT2 SPRING 2023
  • 日時:2023/06/03 18:00
  • 場所:TOKYO DOME CITY HALL

台風の影響もなく無事に行って帰ってこられた。よかった~。

雑感

あ~~~~~~エーステだ~~~~~! エーステに来るとなんか安心する。実家かもしれない。まきつむが卒業して、新しい紬は誰になるのかなぁと思ってたら案外早く代替わりしたので、どんな感じなんだろうと見に行った。

私の中では4幕と5幕の間が1つの大きな区切りなんだけど、エーステ的には8幕までが第1部、今回から第2部って扱いなのかな。開演前に「これまでのあらすじ」的な映像(Youtubeにも上がっているもの)も流れるし、最後の曲はショーマスが戻ってくる。ショーマス懐かしい! 振り付け講座もなんもないのにみんなビシッと揃ってるの見てこれまでの積み重ねを感じた。あとは秋単2020の終盤も思い出す。やっと声出せるようになったねぇ。

エーステ的第2部だからか、特に劇中劇の作りが大きく変わったように感じた。8幕(怪人F)では「これまでのエーステの総決算」みたいな感想を書いたと思うんだけど、ナイラン・春ケ丘では逆にこれまでの定番だった部分を捨てて、より「MANKAIカンパニーの舞台」感が強まった。劇伴はあるけど歌パートがぐっと減って、多分原作曲だけになったんじゃないかな。あと劇中劇に挟まる役者としての心情を話すシーン。ナイランでは1回(至が綴の脚本を褒める)。春ケ丘では2回(至がゲーセンのシーンに出たがる・至と千景の会話)だけ? かな? エーステの劇中劇といえば!って部分が減ったけど、それでもエーステを見た!って満足できる。

メンバーが6人に増えたおかげで2作品を1つにまとめようとすると要素の取捨選択がはちゃめちゃに大変。2.5次元舞台で「2.5次元舞台を上演する」話をやってるから更に大変。何重構造なんだこれは。春ケ丘やるのにガイさんいないの残念~て思ってたがこれはガイさんとシトロンくんの関係まで盛り込んでたら時間が足りなくなるやつだった。シトロンくんとラブラブブラザータンジェリンくんに焦点を合わせるなら、ガイさんとの話は中途半端になるだろうし。

ラブラブブラザータンジェリンくんかわいかったなぁ。ザフラの宝だ。誰だってほだされてしまう。お年玉をあげたくなる。

ともかく。

今少し気になって調べてみたところ、原作ゲーム内でナイランが公開されたのは2018/06/20~29のイベント。ほとんど同じ時期にエーステSS2018が始まる(東京公演が2018/06/28~07/08)。準備期間も考えると、もしかしたらナイランとエーステはものすごい強い繋がりがあるのかもしれないね。確かアニバ本にステに関する発言もあったはず。後で確かめなければ。

A3!は優しい物語だけど、決して理想論には走らない。嫌なものは嫌だし、分からないものは分からない。許したくないものは許さない。それでも新たな居場所を見つけて前に進んでいける。そういう現実との付き合い方を一番強く出しているのが「茅ヶ崎至」ってキャラクターだと思う。彼はとにかく自分を曲げない。アリスでは「分かりあえないと分かりあった」だし、ナイランも「お疲れ様でした」で終わる。ウラオモテやSSRファミリーはどうだったかな。至さんを見ていると、人はそう簡単に変わらないし、変わらなくていいんだっていい意味で肩の力が抜ける。このさじ加減が好きだなーと改めて認識した。

一方で、ナイランの劇中劇の描写がずっと引っかかっていた。たとえば私が原作ナイランのファンで、何かの縁があってMANKAIカンパニーの舞台を見に来たとする。何が始まるか分からない中で突然主演が出てきて(至=たるちは分からない状態)思い出話をされても「そういうのはいいから作品を見せてくれよ」って白けてしまいそうな気がする。原作愛の強い人が演じたとしても合わないものは合わないし、解釈違いだってあり得る。あの前説は蛇足だと思えてならなかった。

でもステで見ると、これはこれで1つの形としてアリ……なのか……?くらいの感情になる。ナイランの舞台化が決まって春組がゲームに勤しむシーンで、咲也くんが「RPGって一人でやるものだと思ってたんですけど、みんなでやるのも楽しいですね!」みたいなことを言う。現実世界でも、右も左もティアキンティアキンな昨今である*1。ソロプレイしかできないゲームでも、どこかで誰かが同じゲームをやっているという楽しみ方ができる。その究極系が、全員が同じ空間・同じ時間を共有する舞台なのかなぁと。「2.5次元舞台を演じる2.5次元舞台」っていう入れ子構造だからこそナイランファンとしての人格(?)もどうにか落とし所を見つけられた。

春ケ丘は何か突然刺さった。原作ではそこまででもないのにステで妙な刺さり方をする作品ってあるよね。西園寺エニスがきちんと「シトロンの演じる西園寺エニス」って感じだったからかなぁ。そもそもシトロニアが好んだ曲がカルテットである=彼はいつか兄弟4人で演奏したいと望んでいたのかな、と急にピンと来たし、ラブラブブラザータンジェリンくんにお年玉をあげた記憶が蘇った(存在しない記憶)し、末っ子真澄くんの成長っぷりに目頭が熱くなるし。劇中劇ラストの楽しそうな演奏がとても好き。それを見守る先生2人って構図もいい。具体的にどこがいいかはまだ挙げられないんだけど、とにかく良かった。あぁこれはとても良いものを見たって理屈なしに感じた。

だからこそ、ねぇ。ちょっと苦言いいですか。

ショーマスの客降り時間。声出せるようになって嬉しいね。キャストが来てくれるの嬉しいね。分かるよ。でも、この作品・この公演はあなた方のためだけにあるものではないんですよ。来てくれて嬉しいのはすごく分かる。隣のお友達に縋りつきたくなっちゃうのも分かる。でも、私もあなたの隣に座ってます。あなたはお友達にだけぶつかってるつもりでしょうけど、私もその反動でゴンゴンぶつかられてるんです。声かけたらキャストが振り向いてくれるのも嬉しいよね。でもね、突然金切り声をあげられるとびっくりしてしまいます。あの場にいる全員が同じ空間・同じ時間を共有しているんだってこと、どんなに嬉しくても忘れないでください。この作品・この公演はあなた方のためだけにあるものではありません。

私自身は客降りやファンサにそこまで重きを置いていないし、今作は特に「エーステを見る」ために来ているので、これは本当に……本当に……なんというか…………。うん、台無し。左京さんが来た時は絶対にああならないよう気をつけようと思いました。

紬さんについては機会を改めて。たまに様子がおかしい時があるのは荒牧さんが演じているからだと思ってたけど、今作でもちょっと様子がおかしかったので、もしかして月岡紬って様子がおかしい時がある男なのか……?と疑っています。「第一志望に合格した時のイエーイ」で受験番号を探し始める男。私、紬さんのこと何も分からん。

*1:私は未だブレワイの世界に籠もっている。いずれ移住したい