行く末トーキー

はじめからはじめよ

花開く時 ― MANKAI STAGE A3! ACT2! WINTER 2023

あけまして(だいぶ遅い)2023! 今年もよろしくお願いします。

鑑賞の記録

  • タイトル:MANKAI STAGE A3! ACT2! ~WINTER 2023~
  • 日時:2023/01/21 18:00
  • 場所:TACHIKAWA STAGE GARDEN

もう二度と来たくなかった場所に来てしまったな…………。そういえば初めてIKEAのホットドッグ食べたんだけど、あれで100円は破格すぎてびっくりした。飲み物はどうやって買えばよかったんだろうか。

雑感

いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーよかった。5~8幕の総まとめだし、エーステ的に一区切りっぽい感じでもあり、これまで見てきた「エーステ」を踏襲しつつも全く新しい部分を混ぜ込んだ、すごく良い作品だった。

だからこそ場所が惜しい。なぜこれを立川でやっていいと思ったのか……正直に言うなら銀劇一択だけどさすがに無理なのは分かるので、新国立とか青年館とか、せめて国フォとか、TDCとか、もういっそステラとかさ。あるじゃん。劇場。ねえ。なんでここなの。なぜこのメンバー集めてこの作品をやるのが立川なの……………。

今日はすごく席が良くて、1階段差列のほぼ真ん中だったんですよ。見え方的にはパーフェクト。前の人も被らないし、真ん中だから変に偏りもしない。肉眼で役者の表情を捉えつつ目の端で全体を追えるくらいの距離。見え方はすごくよかった。

なのに音が偏る。こもる。BGMに声が負ける。もちろん他の劇場でもなくはないんだけど、聞こえたり聞こえなかったりの波があるのは立川だけだと思う。見え方パーフェクトな席でこれって……もう……救いようが…………。ああどうして……音楽がテーマの劇中劇にバチバチ歌うまを立てておいて………どうして………。

冬単は既に何枚かリセールに出してて。初日を見てちょっと後悔して、しかし見え方補正で思い直した。銀劇・青年館ならそもそも手放さないし、TDCなら後悔しつつ当引でもリセールでもキャン待ちでも使って元の数以上に戻すし、ステラでも多分3回くらいは増やすと思う。でもここは立川、これ以上ないほどよく見える席ですら音が偏る箱。毎回このくらいしっかり見える席ならともかく、運が悪ければ何一つ見えない可能性があるチケットに時間と金を割けるかというと、ね。我に返ってしまうよね。

立川が嫌いすぎて愚痴だけで大変な字数を使ってしまった。

中身は本当によかった。とにかく密度が高い。エーステはとにかく舞台化する時の取捨選択が上手いが冬は特にすごい。個人的に見たかったシーン(漫才とか停電とか)が盛り込まれてなくても、これを出されたらもう文句は言えねぇ……ってなる。1幕終わった時点でもう3時間物を見たってくらい満足したしまだ続きがあることに正直ゾッとした。そしたら2幕の頭で劇中劇ですよ。あれが一番びっくりした。いつものBGMに重ねて「本日は」って聞こえた時はうっかり間違えたのかと思った。間違ってなかった。

劇中劇も1つの作品としてまとまってて大変満足したのにまだ終わらない。満足を超えてドバドバ注ぎ込まれるのでもはや溺れそうだった。初めてエーステ見た時の「えっこれが1つの作品なんですか!?」っていう驚き混じりの感動を100倍くらいにしたものを頭から浴びせかけられた感じ。そよ風ソイヤソイヤ。

輝馬さんのガイさんは本当にすごかったなぁ……。フォーライでAct2を匂わせられた頃からずっと輝馬さんだったらいいな~なんて思ってて、予想通り輝馬さんが来て、絶対歌うまいし芝居もうまいし楽しいやつだ!!!!!ってワクワクしながら今日を迎えて。こんなにすごいガイさんを見せてもらえるとはなぁ~~~~!これガイさんのおたくすごく嬉しいだろうな~~~~!!!!ってちょっと羨ましくなった。左京さんは私が知る前から藤田さんが演じてるし、紬さんとは一緒に歩んできた感じだし。もちろん2人ともすごく素敵なものを見せてもらってるけど、何もないところから爆発するように最高打点を叩き出された衝撃ってのは経験できなかった訳で。あ~~~いいな~~~ガイさんのおたくいいな~~~~ってないものねだりをしたくなった。したくなったというか、している。めちゃくちゃ羨ましい。

アンドロイドと人間の対比が良い。幼い頃はあまり感情が表に出なかったガイさんも、溜めに溜めた結果こんなに楽しそうに芝居をするようになったんだ……ってどこ目線か分からない感慨を覚えた。2幕の筋肉痛のくだり好きだなー。アンドロイド云々はともかく従者としてそれなりに鍛えているはずなのに筋肉痛になる人間らしさと、それが筋肉痛だと分かっていない鈍さ、愛らしさが好き。その後身体が硬いと分かって紬さんに乗っかられてるところも含めて好き。紬さんもガッチガチなはずなんだけどな~? 人のこと笑えるのかな~? あと、笑い慣れてなくてむせちゃうところも好き。こんなに愛らしい人だったんだって改めて発見した。ステは色んな人の好きなところがたくさん見つかる。

紬さんも良かったなぁ。NOと言える月岡紬になってた。荒牧さんの紬さんはこの作品が最後で、つまり私が紬さんや冬組の芝居をじっくり見るのも多分最後。A3!やエーステは好きだから今後も都合が付けば見るだろうし、サポメンに左京さんがいたら頑張るけど、そうでなければ多分配信で見る程度だと思う。少なくとも有給使って立川くんだりまで赴くことはなさそう。なんかな~……始まったばかりなのにしんみりしてしまった。1つの役の始まりから終わりまでを追いかけるって初めての経験でまだうまいこと処理できてない。

紬さんの「良くないと思うけどなぁ」な表情が好きで。直接動いたりはしないけど「言ったほうがいいのか……でも……」って悩んでる時のあの顔。あの顔を見て、月岡紬ってただの良い人じゃないんだって認識を改めたと思う。演劇が好きで、自分のことは板の上で知ってくださいと言い切る強さがあって。でも和を乱したくなくて一歩前に出られない臆病さもあり。ステを通して一番解像度が上がったのは間違いなく紬さんそして冬組。荒牧さんが紬さんを演じてくれて良かった。願うならまきつむのルキフェルも見たかったが……まあそのあたりは言いっこなしってやつだね。

いいところいっぱいすぎて書ききれないなぁ。

A3!原作は特にAct3に入ってから「永遠なんてない」と繰り返してて、冬単でもそこに触れた。同じ形では続けられないけど、今ここにある絆は永遠なんだよっていう、見方によってはとんでもない綺麗事。でも前に進むためには変わらなきゃいけないこと、受け入れなきゃいけないこともある。卒業が分かっている人が口にすると二重の意味でぐっと来るなぁ。しかも今ちょうど原作が周年イベの真っ最中で、そこでも「終わったと思ってもまた新しい形で始まるんだ」と言われてて。変わること、変わってしまうことを肯定しつつ前に進む力をくれる作品だ。A3!を好きになれてよかった!!!! 今、ゲームはメインストと公演イベントが全部解放されているのでよければやってみてほしいです!!!!

www.a3-liber.jp

すごい良い作品なだけに以下略! 一旦ほこほこした気分を保存するためにも寝ます!