行く末トーキー

はじめからはじめよ

悔やむ ― 舞台「刀剣乱舞」山姥切国広単独行 -日本刀史-

私は京都駅を5分で横断したおたく。

鑑賞の記録

  • タイトル:舞台「刀剣乱舞」山姥切国広単独行 -日本刀史-
  • 日時:2023/11/04 13時
  • 場所:京都劇場

物販の集合時間が(場合によっては)とても早く、前泊した方が身体的にも精神的にも助かる→ならついでに3夜の当日券も狙うか→なんやかやあって16:30京都着の新幹線しか取れず→整理券配布は16:45までか……いけるな……となったし実際いけた。16:32に14番線到着からの16:38整理券入手。しかし外れた。

あと志津屋のカルネが信じられないくらいおいしくて2日間で3つ食べたしカルネに使われているというマーガリンをお土産にした。なんだあれおいしすぎる。ベスト・オブ・うまいもの。チーズカルネもおいしいけど普通のカルネの方が好きかな。

てことで2週間ぶり……かな? そして初めての京都劇場。本当に駅直結でびっくりした。この立地じゃなければ当日券チャレンジは無理だった。外れたけど。

銀劇よりちょっと大きくなった箱で、でも最後列に立つ私のところまで感情が届く*1。あそこまでガチの端っこって初めて入ったから新鮮に感動してしまった。

芝居の中身もちょっと変わってたよね。冒頭の福ちゃん「行くでしよ~」の後に頭がガクガクガクガクと揺らされるので「揺らさないでぇ!!!!!!」が入ってた。そこ変えるのか。綿使いが荒い社長がにじみ出てる。あの人ぽんぽん綿売り出すし綿とペアにされがちなのに基本的に綿に愛着持ってなくて笑ってしまう。あらまとんの冒険からそろそろ1年だね。

そして何より、三日月んばちゃんが「だから強くなりたかった」と叫ぶところに感情がぶわっと乗っかって、もう全部覚えてるシーンなのにもらい泣きした。東京ではここまでじゃなかったよね? かげんばちゃんは間違いなくこのまんばちゃんから生まれた存在なんだと納得できる表現だった。その後かげんばちゃんと向かい合うシーンでもぐずぐずの泣き顔晒してて声も詰まり気味で、でもだからこそまんばちゃんがようやく自分の本心を掴めたんだなぁと改めてしみじみした。

三日月んばちゃんとしてあの手合わせを思い返して、暖かさに触れて立ち尽くすシーン。最初見たときからずっと寂しそうだと感じていた。いろいろな人に思いを馳せ続けて、とうとうこんな果てに来てしまった。ここまでしなければ掴めなかった暖かさは、やっぱり誰にも分かち合えるものではなくて。でも、周りに誰もいなかったからこそ、まんばちゃんは自分の感情をそのまま受け止められたのかもしれない。誰かが隣にいるっていうのは救いでもあり縛りでもある……みたいなことを考えた。

なんとなくだけど、あのシーンは東京公演が正であって、今日見たあれは過剰に分類されるんじゃないかなと思う。悲伝の手合わせもわざとらしい泣きは入れるなって言われたようだし、あれと同じ感じ。わざと感情を盛り上げる必要はないけど、自然と流れてしまったものはしょうがないよね、的な。でも初日からガンガン泣いてた手合わせと、私が見ない間に何かが起きた(あるいは今日だけのイレギュラーだった)三日月んばちゃんとではまた少し違う。何があったんだろう? 同じことを何度も繰り返すってどういう気持ちなんだろうな。

あのシーンを見ただけでも京都行ってよかったなぁと思う。客席の反応的に初見の人も多いのかな。それぞれ思い馳せるまんばちゃんの姿はちょっとずつ違うかもしれないけど、全員がまんばちゃんを大事に思っているのは変わらない。それが分かる空間が好きだなぁと毎回嬉しくなる。うちの山姥切国広に会いたくなる。

そういえば、前回見た後のブログでは↓と感じた。

織田三郎信長の言う「すべての信長を許容する」は、歴史の修正まではいかずとも散逸を肯定する言葉であって。歴史を変えようとしているのはどちら側なんだろう?

今日見て、もしかしたらとうらぶ世界における歴史は散逸していることが正なのかもしれないと考えを変えた。要所要所は揃っている必要があるんだけど、それ以外の部分はあやふやでOK。だから本丸も無数にあって、それぞれがそれぞれの歴史を守っている。冒頭でも「この者たちがここで死のうが歴史にさしたる影響はない」って言ってるし。でも朧たちは一字一句違わず揃っているべきだと考えている、のかな? 朧たちの狙いは全く分からん。禺が「あなたを思う私」の話で、単独行が「あなたに思われる私」の話だとしたら、続きは「私が思う私」というアイデンティティの話にもなるのかな。三郎と朧信長が対峙するところ、いつも寛容のパラドックスだなぁと思いながら見てる。

もうすぐ終わっちゃうねぇ。寂しいねぇ。無事に終わってほしい気持ちと、永遠に終わらないでほしい気持ちがぶつかり合っている。

てか、三日月だけでなく本丸そのものがループしてるんだとしたら、あの本丸つまり主本人にヤバい事情があるんじゃないかという気がしてきた。はちゃめちゃ本丸ランド作っちゃうし。悲伝を見た時は偶然三日月がループし始めたかと思ってたけど、この二重構造を偶然と言い切るのはちょっと難しくない? 謎が減ったようで全く減っていない刀ステ。完結……してほしいけど……まだまだ見てたいけど………!

明日の朝はカルネのバター?つけた志津屋の食パンです。東京でもカルネ売ってくれ!

*1:京都劇場の立ち見、2階最後方の通路1メートル足らずに2列50人ちょっとを詰め込んでて色んな意味ですごかった。立ち見2列目はおそらくキャンセル待ち枠かな