行く末トーキー

はじめからはじめよ

劇中劇 ― MANKAI STAGE 「A3!」Troupe LIVE ~AUTUMN 2021~

先月健康診断に行ったら視力がめちゃくちゃ下がってて、眼鏡かけても0.5くらいしか見えてなかった。

観劇の記録

  • タイトル:MANKAI STAGE 「A3!」Troupe LIVE ~AUTUMN 2021~
  • 日時:2021年12月9日 19時
  • 場所:東京国際フォーラム ホールC

双眼鏡に凝ったり速攻ブルーベリーに頼ったりする前に、正しい度数の眼鏡を用意しようねっていう話。新調した眼鏡をかけた途端解像度が倍増した。すごい。

座席

3階。遠い……。上がり方も分からなくて2階でちょっと迷子になった。

CD先行はせめて1階にしてほしい。というか最速でこんな席まで出ちゃって、他の先行はどの席が割り当てられたんだ。

雑感

たーーーーーーーーーーーーーーーのしかった! やっぱ現場あると生きてるって感じがする。1つの場所に大勢の人がいて、同じものを見ている空気感が好きなんだなぁと現場に行くたび実感する。頻度が落ちてるから余計にね。

まだ声を出すのは無理だからちょっと寂しくなりつつ、ペンライト振って双眼鏡で左京さん定点してたら秒で終わった。秋単、初めて2桁回見て地方も一通り回ったっていう思い出もそうだけど、コロナで世界が変わる前、最後に見た作品っていう意味合いが強すぎて何度でも語ってしまう。前にこれを見た時は声を出せたのに、客降りがあったのにってなる。早く戻って欲しいね。そろそろ2年かぁ。

そう、もう全部のセリフを覚えるくらい見た劇中劇が、ここに来て全く新しいものになってるだなんて思いもしなかった。演劇をテーマにした作品だからこその変化で、横っ面をぶん殴られるくらいの衝撃があった。え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…………普通に「あの頃の楽しかった記憶」をなぞりに行ったら全然違うものを見せられて、でも確かに「今の秋組」ならこういう表現もアリだなって思えてしまうのがすごい。

例によって例のごとく左京さんを定点してたからナインのことしか分からない。終わってからTwitter見たらみんなドム様の話してた。ドム様ほとんど見てない……あとで配信で復習しなきゃ……。配信があるから割り切った見方ができるのも今っぽい。これが2年前だったらメインの芝居も見たくてどっちつかずになってそう。

で、ナインの話ね。初登場とゼロ奪還前はあんまり変わらないけど、その後の研究所のシーンが全然違う。秋単版と違って演者の内面を入れる必要がないから尺の取り方も変わって、そのおかげで芝居にも変化が出た。

ナインがゼロの父みたいな存在だって明かされた後、ガラス越しに手を合わせてゼロと語り合うシーンは結構短くなった。いつも思うけどここの「ガラスがある」マイム本当にすごい。「ある」んだよな。

その後、ヴォルフが乗り込んできてジョンと戦うシーン。戦ってたんだと思うがナインを定点すると真ん中はほとんど見えないので確かではない。ナインは最初、何をしたらいいか分からないみたいな顔でガラスを触ったり手を見たりしている。多分「ここから出る」っていう選択肢が浮かんでない状態。出られるとは思っていないけれど、目の前で起きていることをただ見ていることもできなくて、どうしようって悩んでいる。それから、ヴォルフに弾き飛ばされた(推定)研究員がガラスにぶつかってヒビが入る。ここの「ヒビが入った」ことを伝える演技もすごいんだが……それはともかく。

自らを閉じ込めるガラスが、もしかしたら壊せるものかもしれないって気が付いた後も、ナインはためらう。ヒビをなぞってみたり、手を見たり、まだ迷っている。このあたりになるとヴォルフたちの方(舞台中央)に目を向けなくなる。

踏ん切りがつかない様子だったナインが一変するのがドムの「ゼロは私の」が聞こえた瞬間。パッと顔を上げてゼロの方を見て、即座にガラスに体当たりを始める。やっぱりここのガラスが「ある」感じすごい。手だけじゃなくて全身がガラスにぶつかってる。

全然違うじゃん……………(思い出しびっくり)

ガラス越しのやり取りがほぼなくなったから、ナイン→ゼロの父性を示す場面が減って、その結果ナインがゼロを助ける動機が見えづらくなった。それを補うような……溜めて溜めて一気に爆発する父性……。頭の中で「ゼロは自分に連なる(娘のような)存在=助けるべき」と理解して動いたというより、身体が勝手に動いてしまった、本能でゼロに手を伸ばした、っていう芝居の変化を見てしまって無事にびっくりして情緒が死んだ。そのせいでドム様のやばい仕草をすべて見逃した。でも定点しててよかった。脇でこんな違いを見せてくるとか左京さんほんとストイックで芝居好きなんだなぁ……。

しかも、ただの「異邦人」という作品の舞台化じゃなくて、A3!という作品の文脈に載って届いた変化だからこそ、古市左京と七尾太一の関係の変化が反映されてるって思えて尚更びっくりする。この2人は第3回公演で義理の兄弟分を演じて、切っても切れない縁を描いてみせた。その時に得た感情がナインとゼロにも持ち込まれたようで……全部私の幻想なんだけど……。

劇中劇、めちゃくちゃおもしろい。他のパターンも全然違うんだろうな……。楽しみすぎる。そしてまた日付が変わった。

ライブパートも面白いんだがとにかく「芝居が変わる」っていうのが楽しい。秋単たくさん見ててよかった。覚えててよかった。現地行ってよかった。は〜〜〜〜〜〜〜〜楽しい。でももうちょっと良い席で見たかった!です! 席運ください。