行く末トーキー

はじめからはじめよ

戦場 ― 舞台「刀剣乱舞」天伝 蒼空の兵-大坂冬の陣-

あけまして2021!回るぜ豊洲!TOUKEN RANBU KURA STAGEだ!

鑑賞の記録

  • タイトル:舞台「刀剣乱舞」天伝 蒼空の兵-大坂冬の陣-
  • 日時:2021年1月10日 17時半
  • 場所:IHIステージアラウンド東京

※ ネタバレしかないので、これから現地なり配信なり円盤なりで見る予定がある方は読まないでください。

感染症対策

体温測定(サーモグラフィ)・手足消毒・マスク必須・前列フェイスガード・規制退場。物販はおでこにピッてするタイプの体温計だったんだが、あまりの寒さに32度とか出て結局手首で測った。おでこでNGなら手首らしい。

座席位置

真ん中あたり。席ガチャ失敗すると地獄とは言うけど、今回はSSRだった。多分座席は座席表通りの配置。あの注意書きは何だったんだろう?

列と列の間が狭くて通り抜けるのに苦労するから、真ん中だって分かってるなら早めに座った方がいいと思う。席によって寒かったりするらしい。私は可もなく不可もなくだった。

大画面で映像が上下に動く(地表→空→地表みたいな動きをする)のと、特に2幕はごんごん回るので酔いやすい自覚がある人は対策するとよさそう。

雑感

豊洲と末満のおじさんがタッグを組んで全力で殴りかかってきた。もはや暴力というか災害。

話の筋が結構入り組んでいる上に1つ1つが的確にこれまでの刀ステを見てきた人たちの心をえぐってくるから、幕間とか終演後に呆然となった。すごいものを見たという感想だけがある。

メインの軸がこの2つ。

ここに家康と加州、太閤と家康、太閤と一期と秀頼、弥助と信繁、刀剣男士それぞれ、みたいな組み合わせがごちゃごちゃに混じり合ってでも一応の解決を……見た……? のか? みたいな話。いや大千鳥十文字槍と泛塵のフラグはものすごく残ってるけども。

明日夏の陣やらないかな〜そんで明後日綺伝やらないかな〜

山姥切国広のおたくなので山姥切国広の話をします。

まずね、太閤左文字がいるってことはもしかして修行後もある……?って思ったところからの「てるてる坊主!」ですよ。面識ないし帰ってきてない。帰ってきてない…………。確かにまんばちゃんたちにとっては未来の話だから口止めするのも分かるんだけど、こっちは気になって仕方がないんじゃ。何があったんだろう。

そんな不穏要素を投げかけておいてからの弥助戦。悲伝前のまんばちゃん、失う覚悟はできてるって言うんだよね。歴史を正すにおいてたくさんの人たちを傷つけてきた、自分たちだけのうのうと生きていられるとは思わない、だったかな。でもさ、覚悟できてるからって受け止められるとは限らないよなぁ。

弥助と信繁は「諸説」という逃げ道に縋ろうとして、そのために刀剣男士を顕現しようとする。あの審神者の手がどこかの時間軸の刀ステ本丸の成れ果てだったらどうしよう……というのはさておき。

物語を得て強くなるという法則がこの時点で提示されてるってことは、虚〜悲を経て慈で旅立ったまんばちゃんが、維伝の朧になる可能性も否定できないってことでは?って思ってしまって気が気でないです。本能だから、使命だから歴史を守るという在り方そのものを「奴隷」と言われ、覚悟があったはずの喪失に耐えられず、さらなる強さを求めて旅立ったとしたら「モノガタリヲオクレ」になってもおかしくない。慈伝でのやり取りがあるから大丈夫だと思いたいけど、でも、帰ってきてないんだよね。主の話をする太閤の口ぶりが何かに縋るみたいで、ああこれは予定を過ぎても帰ってきてないパターンだなと察したのもある。帰ってくるよね? ちょっと大人の事情で帰ってきてないだけよね?

歴史ってなんなんだ……。信繁が最後に「未来など知りとうなかった」って嘆くけど私だって知りたくなかったわ。この後に夏の陣が来て悲伝に続くと考えるだけでお腹がキリキリする。擬似的に信繁と同じ立場に置かれて似たような感情を強制的に味わわされている。

知っていて変えられない、何もできない虚しさと、それでも一太刀浴びせたいと足掻く泥臭さの話でもあった。

そこに切り込んでくる清光がとにかくかっこいいんだわ。「国広」「清光」って呼び合うのが気を許した間柄っぽくて良いし、本丸初期からの付き合いだからまんばちゃんがちょっと気安いのもいい。

家康に刀を突きつけてからのくだりが、清光でなければ出てこない理屈だった。刀の時代の終わりに生きて、ただ1人の主に使われたからこそ、家康に「ここで死ぬな」「あんたの命はあんた1人のものじゃないんだ」って言える。何か1つでも変わったら自分の知る「自分」ではなくなるかもしれないっていう危うさを上手いこと強さに変換してるように思えた。生きてるだけで大変な戦いなんだ、っていうのも、沖田総司は戦場ではなく病気で死んだことを知ってるからだよな。なんか、あの清光だったら信繁を止められたんじゃないかと思えてきた。間に合わなかったけども。

情報量がすごい。殺陣もバッキバキにキメててこれあと99公演やるって正気なのかとびっくりした。あの坂?が動くやつ、維伝でセット動かしながらでもイケるって思ったから取り入れた部分あるでしょ。回りながら殺陣殺陣殺陣!中脇差!っていうのが豊洲の主な暴力だった。過去作で試した手法が最新作に反映されてるのも嬉しい。

ともかく怪我に気をつけて、もちろん病気にもならずに99公演走り抜けてほしい。こんな世の中にどうして演劇、って言うのも分かるけど、やっぱり私にはこういう場が必要だって分かった時間でもあった。