人が舞台見てる時にSSR古市左京の予告出すのやめてくれよな(八つ当たり)
ソワレ休憩時間中の心境がやばかった。豪雨。
観劇の記録
- タイトル:「私に会いに来て」
- 日時:2019年9月15日 12時半・17時
- 場所:新国立劇場 小劇場
座席位置
マチネが1階後方。ソワレが2階。これで一応全方位コンプしたかな。もうちょっと下手ほしかったけどまぁ上手神のご加護が手厚くていらっしゃるのはいつものことなので……。
雑感
発狂しそう。
頭の中でレクイエムと奇想曲が無限ループしてて、キム刑事じゃないけど「やめてくれ」状態。もう一生分聞いた。と言いながら今これ書きながら奇想曲聞いてる。自傷行為。
だめだ全く頭回らない。音楽止めてもずっと頭の中で鳴り響いている。ほんとやめてほしい。キム刑事じゃないんだから……もう……。
(別のBGM探してきた)
見れば見るほど、現象として「分からない」部分は減っていくのに、作品そのものは「分からない」ことが増えていく。聞き取れなかった台詞が聞き取れるようになり、あそこどうだったっけ?って思ったところは次の公演で確認できる。なのに通してみると何もかも分からない。終わってから、ロビーでがやがやと話している人たちがすごいと思う。今日のソワレはアフタートークあったからまだマシだけど、いつも終演後だいたい10分くらいは何もできなくて、ただぼんやり座ってる。
ぶっ続けで5公演も見ればだいぶ細かいところも分かるんだよ。今日はキム刑事がシャツを替えるタイミングとか見てたし。あとバイオリンの方の服装と仮面の番号。他にもいろいろな新聞記事が出たタイミングでのチョ刑事の反応とか。そうやって積み重ねた時間が伸びれば伸びるほど、全体像が見えなくなっていく。事件を疑似体験しているみたいだ。ソワレが始まった時の「どうせ何も変わりやしないのに」っていう諦めみたいなものがすごく重い。
疑似体験といえば、昨日あの後Google先生に頼りながら韓国での舞台の記事を探してきた。原題も「날 보러 와요」つまり「私に会いに来て」だった。それに「舞台(무대)」をくっつけて検索する荒業。Google先生は偉大だなぁ……。記事も全部翻訳してもらった。ところどころよく分からない日本語になるけど、大まかな内容は分かるんだからやっぱりGoogle先生はすごい。
아직도 기억되는 살인사건, 연극 <날 보러 와요> | YES24 문화웹진 채널예스
<날 보러 와요>, 연극이 주는 강력한 힘 | YES24 문화웹진 채널예스
やっぱ恋愛関係のあれこれもオリジナルに入ってるんだね(どっちにもミスキムの話が載ってる)。私はどこで勘違いしたのか……。
まぁそれはともかく、この作品が実際の未解決事件をベースにしているという点を見逃したらいけないんだなと分かった。韓国の時効がどういう制度かわからないけれど、この事件は未解決のまま終わっている。でも、あくまでもベースはベースだから、戯曲の中では犯人が見つかったとかそういう話にしてもいい。日本だと三億円事件の犯人がどうこう、みたいな創作よく見かけるよね。ああいう感じ。
けれどこの作品はそうしない。事件は解決しないどころか、途中で終わる。冒頭のシーンで「また人が殺されました」って言ってる。どうしてそうしたか、今ならなんとなく分かる気がする。事件に時効があっても、創作に時効はない。こうして何年も何年もずっと再演され続けることで、この事件はずっと残っていくし、こうして国外にも広がっていく。「まだ終わっていない」というリアルを突きつけて事件について知るきっかけを作るために、この結末、この作りにしたんじゃないかなぁ、って思った。
ああそれにしても後味が悪い。気が狂いそう。溺れてしまう。なんでこんな胸糞の悪い思いをしながら舞台に通っているのだろう。世の中にはもっと楽しいことがたくさんあって、しかも3連休。気温もそこそこ、天気もいい。あと今、公私ともに結構忙しい。なのに、なんでこんなに自分を追い詰めるようなことをしているんだろう。しかも、当初持ってたチケットより増やしてる。そこそこの金額する。ほんとに、何やってんだろ。腰が痛い。相変わらず頭の中で音楽が鳴り響いているし、朝起きた時の寝覚めの悪さは本当に半端ない。
それでも、この作品にどうしようもなく惹かれてしまう。終わった後は言葉が出ないくらい疲れ果てているのに、「もう一度」と思ってしまう。何なんだろう。
5回分の積み重ねがあるから、今は背中しか見えてないけど、きっとこういう表情をしているはず、って補完できる。けれどそれが違っているかもしれないなんて考えながらずっと見ている。細かいところがバンバン変わっていくし、偶然の要素(何かを投げつける・投げ渡すとか、引っ張り合って破く、とか、この作品には不確定要素が多い)は毎回何かしらが違う。それにキム刑事のメモはどんどんページが変わっていく。なのに結末が変わらない。何も解決しない。その息苦しさが、あの事件の閉塞感に繋がっているみたいで。
ああ何言ってんだろう。全然まとまらない。
顔の変わらない容疑者と、顔の見えない被害者。一向に進まない捜査。変わらない結末と、鳴り止まない音楽。見ているだけでこれなんだから、演ってる側は本当にすごいなぁと思う。よく発狂せずにいられるなぁ。
アフタートーク
本編の激重具合とは真逆のアフタートークにちょっと救われた。ハンディファン持ち込んだ藤田さん。カーテンコールの時に毎回思うんだが、パク刑事(高山さん)がアンサンブル扱いなのほんとに解せない。
なんだっけ、自分しか知らない見どころ!って話題で、中村さんがグァンスさんの真面目なところを暴露してたのが一番笑えた。イ・ヨンチョルの格好から着替える時に、女性用のパンツも履き替えなきゃいけない→女性用パンツ1枚になる→何かを思い出したらしくそのまま台本にメモしている、っていうやつ。真面目だけど絵面がすごすぎる。というかガチパンツに履き替える時に一瞬全裸になるって、グァンスさんパンツのパンツ?履いてない?ってこと? なんかパンツ見せる演目って見せる用パンツとは別にちゃんとパンツ履いてるイメージあったんだけど違うのかな。パンツパンツ言いすぎてゲシュタルト崩壊してきた。
藤田さんが言ってた「イ・ヨンチョルを目撃者として連れてこなきゃって時にチョ刑事と一瞬通じ合うところが好き」、ちゃんと覚えておきたい。あと鼻の高さを自覚していない藤田さんの話も覚えておかなきゃ。