行く末トーキー

はじめからはじめよ

重さ ― 舞台「私に会いに来て」

今日も元気にグロッキー

観劇の記録

  • タイトル:「私に会いに来て」
  • 日時:2019年9月14日 12時半・17時
  • 場所:新国立劇場 小劇場

新国立劇場、今回初めて来たんだけど、意外と周りにいろいろあるし、ベンチも充実してるからマチソワ間が過ごしやすくていいね。気温も下がったから外でぼんやりしてた。

豆知識:リピチケだと席が選べるぞい

座席位置

マチネが1階前方、ソワレが2階。どこで見ても発見がある。ただ、2階は手すりが結構邪魔なのと、席から端までが狭い&壁ではなく網なのでちょっと怖い。小さい荷物とか落としたら大変なことになりそう。なぜか2階にはひざ掛けが用意されてた。

雑感

今日も打ちのめされてきた。完璧に自分の言葉を越えてるんだよな……。

自分の中で消耗すると言えばミラステなんだけど、わたあいは別方向で疲れる。自分の中にあるもの全部を絞り出して戦い続ける場がミラステだとしたら、もう無理って思ってもどんどん押し込まれるのがわたあい。窒息しそうというか、溺れそうというか。奇しくも死因が絞殺だから似てるね(物騒)。

キム刑事はミスキムのことをどう思ってるんだろう、って昨日見た時から気になってて。ミスキムは一目惚れからの詩が共通点となって惹かれていった(惹かれ方が異常だとは思う)が、キム刑事はどうなんだろうって。マチネを見た時はミスキムがあまりにも激しいからなんとなく絆されたというか、まぁすぐ離れていくだろうし、っていう諦め半分な感じで一緒にいるのかと思った。モテるけど長続きしないというか、恋愛に向けるキャパがないというか。でもソワレだともうちょっと積極的なのかなぁとも思った。

なんでかと言うと、ミスキムが渡した詩の紙をずっと手帳に挟んでるんだよね。留めてる訳ではないから気をつけないと落としそうだし、実際にその紙を使うのは喫茶店でミスキムに会うシーンの直前(真ん中通路をゆっくり歩いて2回立ち止まるところ。最初に立ち止まった時に広げて目を通している)だけ。なのにずっと挟まってる。それからミスキムが自分の詩を読む時に、タイトルの後間を空けて「1」って言った時の表情。自分と同じようなタイトルをつけている人、っていうことでちょっと気を許した感……? どうなんだろう。ミスキムに手錠をかけられる→抱きつかれるの後の手の距離感もマチソワで全然違う。昨日と今日のマチネは結構離れてたのに、ソワレは普通に背中に回ってた。え~~~~~~~どういうことなんだ……とりあえずミスキムは無言電話やめて……?(突然の苦情) あれ普通に業務妨害では?

どう思ってるのといえばチョ刑事とパク記者も謎い。パンフだと「恋愛関係」って書いてあるけど、チョ→パクはともかくパク→チョは微妙じゃない? キム刑事が来たから? でも最終的に「殴り殺しておくべきだった」とまで言っているところが謎。なんだろう、好きは好きだけど、互いに仕事とか使命の方が優先順位高いのかな。どこも一筋縄ではいかない。

なんか、言葉にできそうなところを絞り出してるからとにかく薄っぺらい。

今日のソワレは上から目線(物理)だから書類とかもよく見えたんだが、ほんとに全部ハングルだった。しかもキム刑事のメモ帳、ちゃんとハングルで書いてる。最初は書いてるフリかなと思ったけど、ちゃんとハングルが増えてる。読めないから何書いてるかは分からない。公演ごとにメモ帳の書き込み具合上がってくのかな……。なんか怖いな。

パク刑事が警察を去るシーン。今までずっとキム刑事は俯いているだけかと思いきや、何か喋ってる。口が動いてる。汗がぼたぼた落ちて、机に水たまりができる。パク刑事が話しかけても見向きもしない、というか多分気付いてもいない。何て言ってるんだろう。あそこの汗がほんとうに半端ない。汗というか雨。ついさっき雨に降られましたレベルでぼたぼた落ちてくる。藤田さんが汗っかきとはいえあそこまで……? え? ほんとに汗なのか?

何が起きてるか分かるのに、何も分からない感じがする。ただひたすら雨に降られて息ができなくなっていく。傘をささずに豪雨の中突っ立ってるっていう感覚が一番近い。なんでこう思うのかまだ分からない。話の筋は分かるし(もう3回見たし)、特に不思議なところはないように思う。さっき書いたように人間関係が謎だなぁと思うことはあっても、何かしらの感情はあるんだろうな、って処理できる。それでもなお息が苦しい。叫び声って重たいんだ、とか、悔しさって熱いんだ、みたいな、1つの感情や動作に別の感覚がついてくる。今までこんなことなかったから、自分でもどう処理したらいいか分からない。

そう、叫び声が重たい。キム刑事のラストシーンの絶叫が、質量を伴ってこちらに届く。マチネは前方席だったから余計にそう感じたのかもしれない。何か訳のわからない塊というか、波のようなものに圧倒される。なんなんだろう。音は音でしかなくて、振動にすぎないはずなのに、もっと違うもののように思えてしまう。けれどこの感覚をどう表したらいいか分からない。

ずっと雨が降っていて息ができない。身体が重たい。空気に溺れてしまう。

空気の重さに絞め殺される、っていう言葉が見終わった直後の感覚に一番近いけれど、それでもまだ遠い。なんなんだろう、この感覚。

メモ

3回見てもまだ聞き取れない……というか多分頭の中にない語彙があるのでメモ。また見た時に思い出したいというか確認したい。

  • 「かいいんしょう」:イ・ヨンチョル(最初の容疑者)の特徴? 友人(キム・ウチョル)の証言が初出で、その後イ・ヨンチョルが目撃者だって話になった時にもう1回出てくる。
  • 「XX罪」:全く聞き取れていない。キム刑事がミスキムに手錠をかける理由。窃盗罪?ではないように聞こえる
  • ミスキムの詩のタイトル:これは単純に忘れてる
  • 秋2 の内容:その後の「あいしてる(小声)」「愛してる、もう十分だろ」で全てがすっ飛んでいってしまう。これは致し方ない

タイトルについて

パンフの裏表紙にハングルがついてるので、頑張って入力して翻訳してみた。

nut.sakura.ne.jp

  • 裏表紙のハングル:날보러와요
  • 偉大なるGoogle先生のお答え:私に会いに来て

おう。でもこれハングルでぐぐっても関係ない映画の記事しか出てこないんだよな。原題が何かすごく気になってる。

ここで言う「私」って誰なんだろう?