行く末トーキー

はじめからはじめよ

出口のない1対1 ― 舞台「乱歩奇譚」怪人二十面相

クラブeXもそこそこ冷房効いてたので上着あった方がよさげでした(報告)

観劇の記録

座席位置

Bブロックの前の方。なんか品川にはよく来てるけどeXは久しぶりだなぁ、と思って記録をさかのぼったら2017年11月のラブ米が最後らしいです。久しぶりにも程がある。

ちなみに2階席は機材やら演出やらの都合で全部埋められてました。そこにキャストが立つこともあったんで、席によってはちょっと見えない……というか声だけ聞こえる、みたいなことになるのかな。

オールフラットだから見えないところもあるんだけど、そもそも円形だから「見えなくて当たり前」って割り切れるところが好きです。あと個人的には初めて複数回入った作品(初恋モンスター)もここなのでちょっと思い入れがある。

雑感

乱歩奇譚を見るのは去年のパノラマ島以来の2作目なんだが、ぶっちゃけるとこの作品と自分はそんなに相性が良くないんだよね。多分だけど。いまいちしっくりこないというか、部分部分で見ると好きだなって思えるんだけど、全体で見ると「????」ってなる。同じ型だけど違う絵柄のジグソーパズルが4つくらい混ざり合ってるみたいな居心地の悪さを感じる。ピースは全部ハマっているのに絵面が見えてこないもどかしさというか……。もちろんそうじゃない人も多いのは分かるし、そういう人たちの感性を否定するつもりはない。自分には多分合ってないんだろうなぁというだけ。

でも、舞台で見ると引き込まれてしまう。アケチがナミコシに、ハシバがコバヤシに向ける感情が生々しくて目が離せない。いわゆる「シンメトリー」っていうんですかね。作品の中でペアとして扱われている1対1の関係がどれも好きだなぁと思った。アケチ・ナミコシ、ハシバ・コバヤシ、カガミ・ナカムラ、あとちょっと描写は薄いけどハナサキ・コモダもそれっぽいよね。そこの1対1に向け合う感情もいいんだけど、その1対1に「なれなかった」側の描き方もいいなぁと思う。例えばハナサキがアケチ・ナミコシに向ける感情とか凄まじいよな……というかがっくんまたそういう役~~~~~~~好き~~~~~分かる~~~~~ってなった(急に下る語彙力)。

そこの1対1で閉じていた関係が、どこがどうなって世界規模の意識の改革になっちまうんだってところがしっくり来てないので深くは掘り下げられないのですが……。なんか見落としでもあるのかなぁ。ナミコシがアケチに見棄てられたくない、ていう「感情」は分かっても、そこからラプラス・ゲームに至るまで数段のジャンプを経ているように感じてなんだかなぁってなる。お前の世界にはアケチしかいないのか?!ってなった。いや本当にアケチしかいないのかもしれないけど、それにしてはなんかおかしくない……?ってなる。うまく言葉にできなくてもどかしいなぁ。なんだろう……自分の欲のために他の人を巻き込んであれこれする、っていうパターンはよく見かけるしまぁ理解できなくもないんだが(共感するかは全く別の話)、ナミコシはそれですらないように見えた。うーーんなんか落ち着かない。

パンフを読んだ感じ、アニメとは違うエンディングらしいですね。アニメもうちょっと頑張って見てみようと思う。そっちのがしっくり来たりして。

話の筋とは全く関係ないことを言うと、アケチがハシバに合鍵(コバヤシが置いてったもの)を投げ渡すところで、ハシバが受け取る→手に取る→台詞、って流れ(多分)なのにハシバの服のどこかに鍵が紛れ込んで、あれ????ってなる→地面に落ちる→苦笑い、っていう流れは可愛かったです。あと安定のかげ(きな)おとこさん。いるだけで不気味だなぁと思う。

アニメ見たらもう1回考え直したいな。なんかものすごくいいもののはずなのにちゃんと受け取れてなくてもやもやする。てことで今回はここまでです。

メモ:飲むハンバーグ