行く末トーキー

はじめからはじめよ

意味 ― Rock Opera「R&J」

追いRockしてきた!

観劇の記録

座席位置

1階中程の下手。前回よりスピーカーの位置が近くなったからますますビリビリバリバリしてた。青年館ホールっていう比較的新しくてお行儀のいい(主観)劇場でこれを見るっていうアンバランスさがちょっと面白いよね。

雑感

前回見た時はなんだかふわふわしてしまって(1日中雨に降られて大変だったのもある)、ここが好きな台詞!って抜き出したものがあまりにも合ってなくてひっそり笑ってしまった。記憶力が当てにならない……。

  • ロミオがグルッパを抜ける時の台詞
    • 前回書いたやつ:「来いよ!!!」
    • 今回確認したやつ:「やれよ!!」
  • ティボルトの最期の台詞
    • 前回書いたやつ:「撃てよ!」
    • 今回確認したやつ:「やってみろよ」
  • ジュリエットの最期の台詞
    • 前回書いたやつ:「銃弾よ、ここがあなたの安住の地。ここに留まって、私を……死なせて」
    • 今回確認したやつ:「銃弾よ、ここがあなたの安住の地。ここで錆びついて、私を……死なせて」

まるっきり違う訳でもないが合ってる訳でもない。いやぁ恥ずかしいね。響き的に聞き取れなかったのではなく、聞き取れたが覚えてなかったんだろうな、って分かる。*1 結構しっかり覚えてると思ったんだがなぁ。これも間違えてるかもしれないって思うと怖い。さすがに劇場出てすぐにメモしたから合ってると信じたい。

聞き間違い覚え間違いなんて多分他にもたくさんしてるんだろうけど、なんで今この話をしてるかって言うと、単純に訂正したかったのと、自分のものの覚え方が「意味」に偏ってるな、って気付いたからだ。

ジュリエットは最初、四文字熟語が好きな理由を「響きが好きなの!」と説明する。言葉が持つ意味よりも、聞いた時の感覚を重視しているらしい。多分ジュリエットなら台詞の覚え間違いとかはしなさそうだな、って思った。一方私は意味を感じ取って覚えるから、微妙にニュアンスが変わってしまう。

でもここの微妙な違いって本当はもっと大事にしなきゃいけないんだよなぁ……。坪内逍遥訳のロミジュリと今回のR&Jが違うように、同じストーリーを元にしていても言葉の違いでこれほど違う話になってしまう。そう考えると、もっと一言一言、一文字一文字を大事にしたいなって思った。一言一句違わず覚えるのは無理でも、そういう意識を持って向き合うことはできるはずだからねぇ。今ここにしかない作品だからこそ、もっと一瞬を大事にしたいなと思いながら見てました。

ティボルトは相変わらずかっこよかった……! あの人、よく考えるとグルッパより頭がおかしい気がする。そもそも部下?に「ロミオ」ってゼッケン付けてサンドバッグにしてるし、マキューシオを撃った後の乱闘ではビアンカズーリたちも殴ってるし。正義感が行き過ぎているというわけでもなく、ただひたすらロミオへの対抗心?で動いて最期はロミオに撃たれて死ぬ。これが「優秀な部下」としてビアンカズーリの長をやってたのが少し不思議である……。長官はもう少し考えた方がいいのでは……?

それ以外の登場人物も、よく見るとどこかおかしいな?って引っかかる部分がちょこちょこあった。演技とかではなくキャラ造形としてね。ロミジュリの戯曲を読んだのがもう何年前だ?って感じだから、どこまでが原作通りで、どこからがR&Jオリジナルかはちょっと分からない。覚えてるうちに戯曲読み返したいなぁ…。こういう混ざり方は嫌いじゃないので、また似たような題材の演劇があったら見に行こうかな。

悲劇だけど最後は騒いで終わる感じが、まさに「娯楽としての演劇」っぽくて楽しかったです。非日常だからこそここまで馬鹿でも楽しいし、入り込める。いい作品に出会えてよかった~!

*1:別の作品で「朝(あさ)」と「後(あと)」を聞き間違えて台詞の意味を大分取り違えてしまったことがある