行く末トーキー

はじめからはじめよ

会話 ― MANKAI STAGE A3! WINTER 2021

引きこもっている間に季節が変わった気がする。もう夏だね。時間の流れについていけないよ。

観劇の記録

  • タイトル:MANKAI STAGE A3! WINTER 2021
  • 日時:2021/05/29 12:30, 18:00
  • 場所:TACHIKAWA STAGE GARDEN

座席位置

昼夜とも1階の平地。ほぼドセンと上手だったけど、センターが今までで一番見やすかった(被りが少なかった)かな。1階の段差後列よりは平地で埋もれた方がまだ見える。16列目が覇権なことには変わりない。

上手の時は本当にひどくて、下手側が3分の1近く見えなかった。真夜中の住人で瀬尾の家が見えない。つまり真夜中の重要シーンを見てない。私は話の筋を知ってるし別の席で見たこともあるからまだ譲歩できるけど初見でこの席だったらチケ代の半分をドブに捨てたも同然だよ。これを正規の席として売ってるの、正気を疑う。

それにしてもなんでこんなに見えないんだ……? 平地なだけならサンモールやシアタークリエの前方とか段差がない時代のステラとか、段差後列ならTDCのアリーナとか、同じ条件の劇場はそれなりに経験してきたはずなんだけど、ここの見えなさは本当におかしい。どう考えても芝居を見る箱じゃない。これで行けると思った設計者や上演を決めた責任者は自腹で1万払って埋もれてほしい。絶対おかしいって。キャパがでかくても見えなかったら意味がないよ。

雑感

ステを見ることで原作への理解が深まる気がする。冬組が何に躓いているのか、どうして前に進めないのかが温度を伴って理解できる。台詞と台詞の間だったり、台詞がない時の動きだったりが目の前にあるからかな。多分こうだろうなと自分の頭の中で考えてたものが現実に生まれるから説得力があるというか。エーステならではの感覚だなぁと見るたびに思う。

今日は紬さんをなるべく定点していて、その中で「あれ?」と気付いたことがある。

紬さんは基本的に自分の意見を言わないし、誰か(主に丞)がきつい言葉をかけようとした時は素早く「まあまあ」と取りなしてみせる。1幕序盤が顕著。場の空気を悪くしないことを意識して立ち回っている。止めた言葉の中には、もしかしたらその場で言わなきゃいけないことだってあったかもしれない。でも不和の芽を摘む方が大事だから全部止めてしまう。

そんな感じで、他の人に対しても「何のために言葉を発しているのか」という視点で捉え直してみると、冬組ってまともに会話できる人がいないのでは……?という疑問を抱いた。うまい言い方が出てこないな……。東さんは自分の内側に踏み込ませないため、丞さんと誉さんは自分の考えを表すため。密さんはそもそも口数が少ない。なんというか、相手を理解するために話すというよりは、今ここにいる自分を維持するために話してるんじゃないか、みたいなことを考えた。自分が変わりたくない、変わるのが怖いから、相手と距離を置こうとしたり(東さん)、相手を変えようとしたり(丞さん、誉さん)、何もしない道を選んだり(紬さん、密さん)する。

でも、本来、会話って、相手を理解して、自分を理解してもらう営みなんじゃなかろうか。2幕の紬さんの「みんなのことを知りたいし、知ってもらいたい」って台詞が本当のスタートラインに思える。誰かと話せば少なからず自分も変わるものだっていう、当たり前のことがようやく当たり前になったというか。すごくゆっくりだけど、確かに冬組は「冬組」というチームとして一歩前に進んだ。この流れをはしょらずにじっくり描いたってだけで、A3!やエーステはすごいなぁと改めて感動した。

劇中劇気になるポイント

ミステリ

志岐が中津を疑うくだり、静馬が「妹を亡くしてから久しぶりに笑いました」って言うんだけど、何回見ても笑った風に思えないんだよな……………。私が表情の変化を見落としているのか、それとも静馬はあえてそう言って志岐に近づこうとしたのか。オペグラでじっくり見ても、眉をひそめる程度の変化しか分からないんだが…………。ミステリガチ勢にこの台詞の真意を聞きたい。

京一はいつ見ても最高ですね。「死ぬんなら結婚してからにしてくれよ」が毎回違ってて、今日はやさぐれ度が高めだった。あの美しい顔で何も考えてない小物ムーブかますの本当に好き。静馬は京一の本性を見抜けなかったというより、京一と縁を切ったところで妹はまた別の男と結婚するしかない、ならばいっそ……みたいなことを考えてたんじゃないかと勝手に思っている。

真夜中

瀬尾と野々宮が別れ際にやるシャツをピーンってするやつは何なの。二人の合図?

泉の殺陣が稽古から段違いに上達してるの、見るたびに頭が混乱する。紬さんは密さんに「稽古のときと比べて格段にキレが増した」って褒めるけど、どう考えても紬さんのが急激に上達している。目がマジだもん。私は荒牧慶彦っていう中身をそれなりに知ってるからあの殺陣でも「荒牧さんの殺陣だな」で済むが、月岡紬ガチ勢的にあれはどうなんですかね。上手いけど「月岡紬の殺陣」ではなくない? かといって下手に下手な殺陣やっても怪我しそうだし、役者(中身)が動けるなら動いた方が見栄えはするよなぁ……。