祝10周目! 出演者のみなさんやガッツリ通ってる方に比べたら大したことない数字だけど、自分史上初の「荒牧さんが出ている作品を10回以上見る」実績なので嬉しさもひとしおです。やったね。お金は……だいぶなくなってるけど…………。
鑑賞の記録
座席位置
ドセン! このご時勢だから回数とか気にする余裕もないんだけど、こういう(自分の中の)節目でいい席が回ってくると嬉しいよね。
それにしてもまんばちゃんの開始アナウンスに出会わない。たいてい鯰尾か一期。
雑感
書きたいことがいっぱいあるんだけど、文脈とか考えるとどうにも途中で終わってしまうので箇条書きで書くことにした。
秀頼様の父親は誰だったのか
これ、多分真相は治長様も太閤殿下も、もちろん秀頼様も分からないんじゃないかと思った。治長様が茶々と通じていたのは確かだったとして、この時代にDNA鑑定なんてものはないし、血縁の証明なんてできる訳がない。だからこそ、治長様は「諸説とは、事の真偽が分からぬがゆえに諸説なのだ」と話を逸らすしかなかった。もしかしたら自分が父親かもしれない、でもそれは信じがたいし信じたくない。なぜなら太閤殿下に対する重大な裏切りになってしまうから。治長様が秀頼様を天下人にしようと躍起になっていたのは、そうすれば(実際の血の繋がりがどうであれ)豊臣秀頼は豊臣秀吉の息子だと言い切れるから。
蒼空のシーンで秀頼様が「私は紛れもなく父上の息子だ」と言い切ったときの治長様の表情が本当によかった。どう良かったかをうまく言えないんだがとにかくよかった。ほっとしたようにも見えるし、何か吹っ切れた風にも見える。あそこで「豊臣秀頼は大野治長の息子」という説は史実ではなく諸説だと確定したように見えた。秀頼様が迷い続けていたら、多分どっちの説もそこそこの強さで今まで伝わってたかもしれない。
吽形の台詞
2幕冒頭、弥助が審神者の手を出すシーン。今まで「歴史の表舞台から消えた狭間人」って言ってたところが、なぜか今日は「歴史の表舞台から追い出された狭間人」になってた。吽ちゃん結構それニュアンス違くない? 何があった? 「消えた」だと「ある時を境に記述がなくなった」っていう事実だけを指している感じがするけれど「追い出された」はそれよりもう少し能動的な印象を受ける。単に噛みそうになって咄嗟に避けたとかそういうやつだと思いたいが、明確な意図があって「追い出された」に変えたとしたらちょっと怖いなぁ。
蒼空
サブタイにもある「蒼空」が話に絡んでくるタイミングまで、背景が蒼空になることはない。ずっと曇りか雪。唯一2幕序盤の一期と太閤のシーンで星空が出てる=晴れてるのが例外かなぁ。太閤が「蒼空みたいな人だった!」って言うところも照明が青くなるだけで、秀頼様が一期たちに「蒼空の兵よ!」と声をかけるところで初めて背景も蒼空になる。でもあれはなんというか心象風景みたいなもののような気もするんだよな。実際に現地が蒼空だと明示されるのは最後の最後だけ。だからなんだって話だけど、こういう細かな作り込みにも気付けるようになったのがちょっとうれしい。
真田丸の対比
真田丸が最初に出てくる時と最後のシーンの対比が見事なんだよなぁ。どっちも信繁殿の「真田丸よ」っていう台詞で門が開くんだけど、最初は「おう!」って答えてくれる人がいて、活気に満ち溢れていた真田丸が、最後には誰もいない静かな空間になる。吹きすさぶ雪の音が寂しい。
これを見てて思ったんだけど、歴史を変えてはならない理由って、多分ここにあるんじゃないかなぁと気付いた。「先に起こることなど知りたくなかった」ってのは、歴史修正主義者や時間遡行軍(や阿吽)がいなければ発生しない後悔なんだよな。今を生きる時代から離れることができない人間たちに未来を詳しく伝えてしまえば「変えたい」という欲が発生するのは自然であり、けれど変えることができなかった場合に残る傷や絶望感は人を狂わせてしまう……みたいな。弥助もこのパターンだし。人が人として自分の人生をまっとうすることが歴史だというなら、時間遡行軍の行いは許されるべきではない……と、思う。
三日月が未来に起こることを明言しなかったのも、このへんが関係するのかもしれない。具体的に、たとえば「本丸が襲われる」とか言えばもっと的確な備えができたんだろうけど、それを言ってしまえば自分たちの未来が変わりかねないし、誰かの心に深い傷を残すかもしれない。だからはっきりとは言えない。でもやっぱり最悪の結末は避けたいから、遠回しに遠回しを重ねてどうにかしようとする。
今までずっと「刀剣男士はどうして歴史を守ろうとするのか」っていう視点で考えてたけど、よくよく考えてみれば遡行軍による攻撃のが先なんだよな。防衛戦だから「なぜ」なんて「本能」(そのために呼び出された存在だから)以外に答えようがない。何度も最初に「西暦2205年〜」って言われてたしゲームの基本設定なのにすっかり忘れていた。
となると遡行軍や歴史修正主義者はどうして歴史を変えようとしてるんだって話になるんだが、そこは行きあたりばったりのように思える。整合性なんて二の次で、とにかく「あの時ああしていれば」っていう後悔をひとつひとつ掘り起こしては当事者に囁いて回っている気がする。このへんはゲームにも関わってくるだろうからステで明確な答えは出てこないんだろうなぁ。
太閤左文字劇場のサイド
劇場も面白いけどサイドがどんどんおもしろくなっていく。基本的に下手を見てて、太閤が「儂の頭の中でわかりやすく〜」ってまんばちゃんに言うところで上手を見ると漏れなくネタを拾えるんじゃないかな。今日の下手は下手兵がにじりよってまんばちゃんに押し返され、上手兵は加州にぽんぽんを渡していた。上手もそろそろ何かはっちゃけそうな予感がするけど下手に視線が吸い込まれてしまう。ここどうにかして全部収めておいてほしい。
歴史の自浄作用
宗三っちが「この時代を離れれば僕たちの記憶は消えてなくなるはず」って言ってるけど、綺麗サッパリ消えるのはちょっと寂しいなぁと思うし、実際薄ぼんやりとは覚えているんじゃないかなぁと思う。太閤殿下が一期一振(刀)に「秀頼を頼む」と呼びかけていたのは、ジョでの記憶がなんとなーく残っていて、自分が愛した刀もいずれ誰かを助ける存在になるかもしれない、という根拠のない予感があったから、とか、そういう風に考えればちょっとロマンがあると思わない?
あと何より、権現様の記憶から清光が消えてしまうのが惜しい。あれだけの気迫でやりあって、沖田総司という名前を知って「一度会ってみたい」とまで言わしめたやり取りが全部なくなっちゃうのはめちゃくちゃ寂しい。本当は知るべきではないのは確かだけど、やっぱりさ、なんか、ちょっとでいいから覚えていてほしいよ。
いっぱい書いたら1時回ってるやんけ。でもまだまだ考えた断片はあるんだよ。寝て起きたら書こうかな。
残り3週間、気を緩めずに最後までこれ以上何も起こりませんように!