行く末トーキー

はじめからはじめよ

俺達にはなぜ心がある ― 舞台 刀剣乱舞 天伝 蒼空の兵 大坂冬の陣

暖かくなってきたねぇ。初日は寒すぎて検温で32度を叩き出してたのが嘘のようだ。

観劇の記録

  • タイトル:舞台 刀剣乱舞 天伝 蒼空の兵 大坂冬の陣
  • 日時:2021年3月10日 11時
  • 場所:IHIステージアラウンド東京

なんと50日目らしいですよ。

未知の領域すぎてどう反応したらいいかも分からん。運よくこういう節目?の日に当たってるけど荒牧さんの誕生日以外は全部偶然です。

座席位置

ちょっと後ろの方。今日はなんか途中入場が多かった……。

ステアラにおける良席って、自分の席の場所以上に斜め前に誰が座るかの方が大事だと分かってきた。舞台中央への視線が遮られるととにかくストレスフル。今日はまあまあ。

雑感

ちなみに今回(11回目)で現地観劇回数が最多タイです。いやーこっちも未知の領域だ。記録更新まであとちょっと。

刀ステに限らず、他の人の感想を見てると「今日は○○さんの演技が〜〜〜だった!」みたいなのがよく出てきて、それがちょっと羨ましいと思ってたんだよな。自分の解像度だとどうしても話の筋を追って登場人物の感情を整理して受け取るので精一杯で、演技がどうとかそういうのはよく分からないまま現地観劇が終わってしまう。円盤や配信で見るのはなんか違うし。日替わりシーンこうだった!って話はできても、それ以外の部分は「なんか違うけど何が違うのか分からない」って感じ。

でも今作は自分の中でかなり回数を見てきて、ようやく感情の流れといか、演技の違いの欠片のようなものを感じ取れるようになった。と言っても「今日はこんな感じかぁ」って思うだけでそこから深めるには至らないんだけど……このへんの解像度をどうにかして上げたいんだよな。何をしたらいいんだろう?

たとえば「俺達の逸話と付け焼き刃の逸話を並べて語るな」の言い方が毎回微妙に違う。怒ってるには怒ってるんだけど、ここ何回かは静かにブチギレている風に変わった。声を荒げるんじゃなくて……なんというか……なんだ……?(語彙力の貧困)。こっちの言い回しの方が山姥切国広という刀のプライドが感じられて好きだなと思う。写しが写しがって卑屈になるところが印象的だけど、彼は「堀川国広の傑作」っていう一面もある。比較されながらも確かに愛されてきた来歴を、自分なりに消化して「俺は俺だ」って言えるようになったからこそここで怒れるんだろうな。

ほらやっぱりなんにも言えないじゃん。毎回違うことは分かるんだけどそれを表現するだけの言葉がないのです。場を取り繕ってはいません。

また箇条書きで並べておこう。

一期一振の名乗り

1幕ラストのシーン。「その頃の思い出は大阪城と一緒に焼け落ちました」まで言う必要はあったんだろうか? と唐突に疑問に思って、なんでここで言わなければならなかったのかをしばらく考えていた。大阪城炎上=豊臣の滅亡を知った秀頼様が変な気を起こして歴史を変えようとしたら元も子もない。

一期一振という「刀」にとっては確かに伝える必要のないことかもしれない。でも、一期一振という「刀剣男士」にとっては、大阪城と共に燃えて記憶の一部を失ったことは欠かせない要素なんだと突然理解した。確かにあったはずなのに、何も思い出せず、ただ寂しさと懐かしさだけが心を占める。この空白も含めて「一期一振」だから、自分の身を明かす時も避けては通れない。

天伝は、一期一振という刀剣男士が欠落をそのまま受け止めて、前に進むための話なのかもしれないな。だから受け止めるために一度はっきりと言葉にする必要があった。豊太閤に寄せられた心を思い出せない自分を客観視しなければならなかった。

一期的にはどうしても必要だったこととはいえ、秀頼様は自分たちが負けて滅ぶことを知った上で夏の陣に臨む訳で。はぁ……これ絶対何か仕込まれてるよなぁ。怖いなぁ。

本当に間に合ったのは

弥助じゃない?

別の人の感想では「弥助は『間に合わなかった(本能寺の変で信長を助けられなかった)』人」って見たけど、私は弥助を「ギリギリ間に合った人」だと解釈した。弥助自身の寿命もそうだし、逸話を宿すにふさわしい大きな戦いが起こるかどうかも分からない中、ただひたすら信長様を思い続けて、大坂の陣でかろうじて間に合った。

その結果があれかぁ……って思うと切ない。でも、年表と思しきあれによると序伝と虚伝の間に何かが挟まるらしく、そこで「成れの果て」と信長を失う前の弥助が出会って何かするみたいな話が来てもおかしくないんだよな。ここまで信長の話を引っ張ってきたんだから本物信長も出てきてほしい。

父と子

秀吉と秀頼という繋がりに目が行きがちだけど、真田昌幸真田信繁の親子関係もちょくちょく言及されてる。というか「間に合った」もそうだけど、あえて直接言われていない関係にこそ何か大事なことが含まれてる気がしてきた。

治長様は最初「息子といえど牽制くらいには使えるだろう」と軽く見てるし、家康様も「息子じゃ話にならん」と受け流す。そこから真田丸の戦いぶりを見て評価を見直す。血の繋がりが何よりも重要視される秀頼様と、血が繋がっていたとしてもそれが評価に直結する訳ではない信繁殿。だから何だってのはまだ掴みきれてないけど、ここの明示されない対比も何かに効いてくる……と思う。深読みがすぎるか?

阿吽ちゃん

前回の「歴史の表舞台から追い出された狭間人」は「消えた」に戻っていた。なんだったんだろう?

今日は2幕冒頭のハイタッチで心を射抜かれてしまった。信繁殿が弥助の提案に乗ったところ。もともと吽ちゃんのジャンプがかわいいシーンなのに、さらに阿くんがたたたーって駆け寄ってぺちんと手を合わせる……かわいい……! 吽ちゃんのが幼く無邪気に見えるのに、阿くんが駆け寄るのかと。阿吽ちゃんはかわいい。

吽ちゃんの「ピャーーーーーーー」みたいな声が好きです。

そろそろ終盤で残り回数も減ってきたからドキュメンタリーとかジョとかを見直したいんだが時間がない。ドキュメンタリー見た上で現地に行きたいんじゃ。時間が無限にほしい。