行く末トーキー

はじめからはじめよ

かげとろさま ― 舞台「炎の蜃気楼昭和編 散華行ブルース」

今日はもう情緒がどこかへ消えてしまった

観劇の記録

  • タイトル:舞台「炎の蜃気楼昭和編 散華行ブルース」
  • 日時:2018年8月14日 14時
  • 場所:全労済ホール/スペース・ゼロ

おことわり

今日はとにかく情緒が大混乱に陥った日でした。

ミラステもそうだし、ミラステ終わってほっと一息ついてTLさかのぼってたら現れたこれにも相当ダメージを受けた。

お前布どこやったの...

作品違いなので細かくは言わないが、見た瞬間スマホを取り落とし路上でへたり込むくらいには衝撃を受けていた。画面割れなくてよかった。

ので、ミラステの記憶が若干飛んだ。...という前提で読んでくれるとうれしいです。

座席位置

前方の下手端。今回珍しく下手で見ることがが多いのだけれど、直江との縁に呼ばれているのかな...。いまだかつてないほどに近くて、肉声も聞こえるし、なんならスピーカーからの跳ね返りもわかるくらいには近かった。

雑感

近く、そして端だからこそ見えた表情がたくさんあった...。

一番驚いたのが、直江救出→脱出、で信長に見つかったあと「今が選択の時だ」と信長に迫られるシーンの景虎様...。信長の問いかけにたいして、嘘だろ、みたいな驚いた顔をしてたのは前から気づいてたんだけれど、直江が前に出るところ(信長を攻撃する直前)では、目を閉じて穏やかな顔してるんですね......。直江なら自分を選ぶはずだ、という信頼というよりは、どっちを選んでも自分は受け入れる、という諦めのようなものを読み取ってしまって、その後のシーンに向けて固めていた心構えが全部崩壊した。

直江の癖みたいなものも気づいた。心を抑え込んでるときに、右足のつま先がぱたぱた動く...。ほんのちょっとしか動かないけれど、わりと要所要所で動いてるので、平牧さん自身の癖かもしれない...。あと視線の動き方までじっくり見てた。

鉄二についたビンディも、ただ赤い印だけかと思ったら、なんか根が張ってるっぽい?ところまでちゃんと描いてあった?り、直江の傷跡がリアルだったり、細部まで拘ってるところが確認できたのもよかったなぁ。

全部の表情が遮るものなく届くから、もう1幕からズタボロに持っていかれてしまった...休憩始まって2分くらい、腕すら動かせなくて自分でもびっくりした。あと首が痛い(2階部分が結構見づらい)。びっくりした...。休憩だ...おみずのみたい...って思っても、立ち上がるどころか腕を上げることもできない......。本編終わってすぐも、もう指の1本も動かせない!ってくらいに消耗してた。拍手する腕が重いのなんの......観ていることしかできないからせめて拍手はちゃんと、と思っても、そもそも腕が持ち上がらない。身体の境界線がなくなってしまったみたいだった。

近くで見ると、改めて暗いなぁと気づく。こんなに近くで見てるのに、直江の目元が隠れてしまうときが多いし、景虎様の顔はどんどん死にかけていく。当時の時代背景は明るいはず(東京オリンピック直前)なのに、その明るさを受けてできた濃い影ばかりを見ている気分だった...。光が強いほど影が強くなっていく...。

直江(尚紀)が最期に「景虎様...!」と叫ぶところが、今までとはまた違った言い方だった。今までは絶叫という感じだったのに、今回はもっと何かを惜しんでいるような...受け入れているような...。見るたびに違うのは知ってるけれど、ここまでガラッと違うのは初めてだ。どういう変化なんだろう...?

違いといえば、ラストシーンの「最上の場所へ」も、最初は悲痛さしかなかったのに、だんだんと希望を見ているような響きに変わってきているように思う。やっぱりまだ本編は読んでいない(千秋楽後に読む予定)ので、景虎様の思う「最上の場所」がどういう形なのかはわからない。けれど、彼ら2人と、その周りの人達の希望になればいいなぁ、と思う。

見れば見るほど、景虎様にとって美奈子はどういう存在だったのかわからなくなる。直江に向ける感情と、美奈子に向ける感情が違うことはわかるんだけれど、景虎様は美奈子に何を求めていたんだろう...。夜叉衆とは関係ない、心休まる相手だったのかなぁ...にしては感情の注ぎ方が特別すぎる気もする...。紅蓮坂を観てたころは、単純に愛する人だと思っていた。けれど、散華行を繰り返すたびに、それ以上...というか、それ以外...というか、もっと深い意味があったのかもしれないと考えてしまう。でもこうやって「恋人同士」みたいな関係の型にはめようとすることで、見落としてしまうものもあるはずだ。あの2人は「景虎(賢三)と美奈子」以外に名前を持たない関係なのかもしれない...。

アフタートーク

家臣が自由だった(報告)。あと李さんを初めて生で見たのでHAPPYです。

あれだけのことをこなしながら、本番が楽しみって言い切った平牧さんの肝の太さがすごい。常人とは違う方向に突き抜けたポジティブを感じる...。口が回らなくて「かげとろさま」とか「かげとらさん」って言ってたのはかわいかったです(感想)。「お前俺がいないとこでかげとらさんって呼んでんのかよ」って返した翔さんの絶望っぽい顔も好きです。

しゅーじさんの「Dはね」を受けてまあささんが「ミーはね」って言い出したり、なかなか自由な時間だった......さっきまでのあの空気はなんだったのか、っていうくらいいっぱい笑った。こういうカンパニーだからこそ、走ってこられてるんだろうなぁ。

まあささんの拳銃チャレンジ、成功したかどうか気になります。DVD予約しないと...。

他にもいろんな話をしてたはずなんだけれど、前述の通り帰り道で記憶を落としたので詳細はDVDで補完します。

余談

ここまでで4回ミラステを見た。これまで、劇場で全く同じ演目を見る、という経験は4回が最高だった(ライビュ入れても5回)。でもまだチケットがある。すごい。ここからどう変わっていくのか、どこに行き着くのか、全力で見届けて、全力で走り抜けよう。

追記(カーテンコール)

なおきくんが当番だった! ほんとに言われないんですね!ってびっくりして、ビンディつけてきたかったのに~、って駄々こねて、足ガタガタさせながら(見えてた)それでもちゃんと挨拶して、最後に「足震えちゃって」って申告するまでの流れが全部まるっとかわいかったです。

その隣で鐘ヶ江さんがじーーーーーーーっと見てたのもめっちゃかわいかったです。黒目がくりくりしてた。