行く末トーキー

はじめからはじめよ

歌声 ― MANKAI STAGE A3! ACT2! WINTER 2023

さーーーーーーむい! 未だに距離感が掴めず微妙に早く着いてしまった時の絶望感がすごい。

鑑賞の記録

  • タイトル:MANKAI STAGE A3! ACT2! WINTER 2023
  • 日時:2023/01/25 18:00
  • 場所:TACHIKAWA STAGE GARDEN

やっぱさ、ドセンに座ってドセンが見えねぇのはおかしいと思う。見切れ席と分かって買って一部が見えないとかじゃなく、他の劇場なら関係者席が割り当てられそうな番号で舞台のど真ん中が見えない。欠陥。信じられん。相変わらず音も微妙だし。

雑感

というわけで現地ライブビューイングも交えつつ2回目。何が起きるか分かってても1幕終わりはグッと来る……。密さんが記憶をなくしていたのは恐らく1年足らずだけどガイさんは何年も何年も「自分はアンドロイドだ」と言い聞かせて生きてきて。それが解放された瞬間ってあんなにも痛々しく美しいんだねぇ。

エーステといえば劇中歌の多さだけど、ACT2に入ってからは特に「同じメロディを別の人が歌う」とか「対旋律で違う話を進める」みたいな、歌だからこそできる工夫が増えた。そして冬単は「歌う」ことそのものに意味が生まれる。ずっと無表情で立ち尽くしていたガイさんが歌い始める瞬間が一番心に迫る。確か秋単大楽配信のFC特典だったかな?で、6人になることで3声ができるようになった(2人ずつの3パートに分かれてハーモニーを作れるようになった)って話があって。その威力を存分に味わった冬単だったなぁ。

ガイさんがそれぞれを知っていくくだりで5人のソロがあり、その後に5人で「大丈夫、そばにいるよ」って歌う時の声の揃い具合が好き。ソロで聞くとわりと癖があるというか、一人ひとり芯の通った歌声なのに、5人揃うと滑らかにまとまる。冬組っぽいよね。そしてガイさんが加わってハーモニーがぐっと広がる。劇中劇のテーマが歌だから、日常パートも歌を重視したのかな。それにしては箱の音響が最悪だが。

暗転中のA3!ロゴも、2幕からは星座で表現されてて良き。1幕は1幕で徐々にノイズが増えていく仕掛けがいいんだけど。あのロゴの変化に意味を見出したのは初めてかもしれない。今までは違うな~とは思ってたがそれだけだった。もしかしたら意味があったのかな? 見返したくなってきた。スポットライトの使い方とか、前の作品で使った表現がもう一度出てくると「あっこれはあの時見たやつ!」って嬉しくなる。エーステは演劇の進研ゼミ。

劇中劇が最高に最高すぎて、あれだけ単独で何度も浴びたい。これまでは劇中劇で締めるから「あ~~~よかった~~~~」って満足に浸れてたけど、冬単は満足の波状攻撃がすごいので記憶が薄れてしまう。モチーフからして好きだし、ファントム/エリックの歌が立川の悪環境を全力で破壊しにかかってるのが大好き。でも箱が最悪なことは揺るがない事実なので反省してほしい。ともかくエリックの歌がすごい。アプリで読んだ時はそこまで刺さらなかったけどステでぶっ刺さった。あの後のクリスは歌えなくなるか、歌うしかなくなるかの二択だろうなって見てる。

そういえば、どこから目線だって話だけど推しさん歌うまくなったよね……………。私が知った頃に比べると幅が広がった。バキバキゴリゴリ以外の選択肢が増えた。でも24flowersで真ん中に立ってバキバキゴリゴリの大声で叫ぶ紬さんも好きだよ。今日は偶然客降りの動線に近いところに座れて、ひらひらっと落ちてきた紙片を空中でキャッチするところを目撃したりした。

GOD座に遭遇するシーンで、1人背中を向ける紬さんを見てちょっと切なくなった。エーステが今後も続いてACT3をやったとしても、今の紬さんがレニさんに向かって「俺は貴方に感謝しています」と言う日は来ない。今の紬さんは自分の挫折を完全に乗り越えられない。ダンスシーンではめちゃくちゃ睨んでるけども。自分独りでは立ち向かえないけれど、ガイさんが手をあげて、彼を支えると腹を括ったら強くなれるみたい。あの時の目も好きだな~。好きポイントがどんどん増えていく。卒業が分かって見る公演ってよく分からないタイミングでしみじみと切なくなるから不思議だ。

作品はいいところしかないのに箱がすべてを台無しにする。悲しい。せっかくの席運も台無しだ。あーあ。何が悲しくて現地でライビュしなきゃならんのだ。