行く末トーキー

はじめからはじめよ

薄ミュ 原田篇 感想 (ネタバレあり)

続けてネタバレあり感想いきまーす。ネタバレなしはこっちの記事です。

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観劇情報

  • タイトル:ミュージカル「薄桜鬼」原田左之助
  • 日時:2017年4月26日 14:00 (プレビュー公演)
  • 場所:AiiA 2.5 シアター

宣言通り本編のネタバレしかないのと、微妙に斎藤・沖田・土方(・風間・藤堂)篇と黎明録および奇譚の内容にも触れるのでお気を付けください。

なんというか、ほんとすごかった。直前のあらまきばで「一人に焦点が合うとこんなにかっこよくなるんだ」みたいなことを荒牧さんが言ってたんだけど、ほんとにそれだった。東さんの原田は奇譚でも十分かっこよかったのに、今回は桁外れだった。あれ以上どうかっこよくなるんだと思った奇譚を軽く超えてきて一瞬惚れるかと思った。高崎さん・荒牧さんの両方が「とんがかっこいい」と何度も言ってる理由がわかった。

始まる前までは、いろいろ気になることもあった。新規だけど。最初に見たのは黎明録だし、それもDVDだから生の薄ミュは今回初っていう新規だけど。DVD何度も見たり、過去作の配信を見たり、原作プレイしたり*1、アニメとか劇場版見たりして、新規なりに今回はどうなるんだろうなって思っていた部分はあった。ほんとに鬼になっちゃったヒデ方さんをはじめとして、ここにきて今回のラスボスともいえる父上役が交代するのかとか、LIVE2で若干の解釈違いを感じた新八とか。あとそもそもの話、原田ルートって原田・千鶴・新八・不知火・山南・綱道がメインであとのキャラは後半に行くにつれて出番ほとんどなくなるけど大丈夫かなとか。

でも終わってみれば過去の薄ミュの演出が随所にちりばめられた集大成になってて、薄桜鬼で一番未来がある*2原田ルートでこの薄ミュを見ることができて本当に幸運だったと思った。薄ミュを知るきっかけになった荒牧さんとの出会いが遅れていれば(それこそ刀ステ次回作の後とか)この場に立ち会うこともできなくて、新規は新規なりに「間に合ってよかった」と心から実感した。これまで薄ミュを支えたすべてのキャスト・スタッフ・見てきたファンの方に感謝している。ありがとう、こんな良縁に恵まれてとてもうれしい。

そう、ネタバレなし記事でも書いたんだけど、今回の演出というかBGMとか歌が初期からの薄ミュファンにはたまらないだろうなと随所で気づいた。斎藤と平助が御陵衛士に行くことになって、斎藤が「時が移ろう中で…」と言っている裏でかわらないものが流れてたり、山南ソロのイントロとアウトロが哀れな亡者のサビフレーズだったり、近藤の投降シーンのBGMが近藤処刑シーンのところの曲(土方ソロで「旅立つ あんたの 笑い顔」から始まるやつ)だったり。同じ曲を歌うわけじゃないんだけど、さりげなくメロディを混ぜていくことで初代からずっと積み重なってきて今の原田篇ができていることが伝わってきた。

BGMだけじゃなくて、明確に黎明録以前の歌を持ってきたところもあった。ヤイサの構成が沖田篇と同じで途中に池田屋襲撃が挟まる(沖田「Show Timeが (今) 始まるぜ」の部分)とか、微妙にパート割と歌詞が違うけれどあの日の誓いがあったり。あと、ヤイサのメロディで「鬼として認められるために戦ってきたわけじゃねぇんだがな 長くは遊べねぇがそれでいいだろ」が聞けたのはうれしかった。奇譚の鬼フレーズからのヤイサも「これが風間の認めた土方=薄桜鬼だ!」って感じで好きだけど、この演出の「ヤイサきたーーーーー!」感が好き。

ヤイサと言えば、今回は原田ルートなのでこれまでのヤイサにあった原田パート(無駄死にはやめろよ~槍が舞う)がなくなって座長ソロポジションに移動してた。それはこれまでの公演見てれば予想がつくのでまぁいいんだけど、あの振りと歌詞が好きだからちょっと寂しいなぁとは思ってた。…思っていたところでラストのあれですよ!!!! 全員で原田パート歌ってからのソロありヤイサ2回目しかも歌詞違い!!! テンション上がりすぎて何言ってたか全然思い出せないんだけど、信念や進みたい道が違っていても「仲間と共に」進んでいくのがうまいこと表現されてて、これが新選組の歴史か…!と熱くなった。

思い出しながら書いてるのでテンション上がってきた!

演出の話で言いたいことがありすぎてなかなかそれぞれの歌とか演技の話に行けない…。でもまだ言いたいことがたくさんある! 山崎の羅刹化は全然予想してなかった! 風間篇の演出*3なのかな。山崎が変若水を取り出した時に盛大にビクッとなってしまって隣の方には大変申し訳ないことをした。ごめんなさい…。土方が飲むのは知ってたけどまさかあそこで山崎が飲むとは思わなくて…びっくりして…。てか高崎さんのトキイベでのあの発言はなんだったの…山崎すっごく活躍してるじゃないですかほんとびっくりした。

そういえば夢とはいえ新八が羅刹化したのは薄ミュシリーズ通して初…なのかな? 2幕始まったーどうなるかなーわくわく!って思ってたところにあれなので非常に背筋が寒くなった。新八もそうだけど、何より沖田が近藤さんを刺すのを見た原田が「あんたの大事な人じゃねぇのかよ!!!」って叫ぶところがもう…もう…!衝撃すぎて語彙力がどっかいった! あれだけ*4近藤さんに懐いていて、近藤さんのことを大事に思っている沖田が!近藤さんを!刺す!!!悪夢!!!! あの恐ろしさから2幕始まるってすごい。

他にもいろいろ印象に残ったことはたくさんある。宴で意外とノリノリの山崎(しかし多分お酒あんまり強くない。非常に貴重な山崎の笑顔が見られるのはここだけ!)とか、そっと抜け出した沖田に真っ先に気づく土方とか、「鬼の副長」を貫いてみせた土方とか、 カテコでのヤイサ中に沖田が山崎に絡みに行ったら邪険にされてるとか*5、カテコでのあいさつ順とかはける動線が変わったから近藤さんと一緒にはけていく沖田とか。あと山南さんな! 黎明録で感じたじっとりしてて影がある感じのままかと思ったらいい感じに狂ってて、でも誰よりも新撰組(新選組)のことを考えてて、最後は多分仙台城ではなかったけれど「感謝します」は反則でしょ! 取り落した刀が階段にうまくひっかかってステージ中央でまっすぐ止まったのは「山南敬助の生き様」っぽくて偶然に感謝した。彼も結構「新選組の剣として生きる」人だよね。ゲームの黎明録では新選組の剣についての話があるらしく、どうせならVitaと真改と一緒に買って山南ルートも攻略しようか迷う。キャラ単体で薄桜鬼を見たとき一番好きなのが山南さんだし。双眼鏡で表情アップを見たときの狂気がやばいからそれだけのためにDVDじゃなくてBlu-ray予約したくらいには山南さんがかっこよかった。

千鶴もすごくよかった。というか強かった。小太刀抜いて不知火と戦ってたし1回父上刺してた。やばい。「守られてろ」と言われて頷いてはいるけれど、いざとなったら多分全力で戦って刺し違えて死ぬタイプの千鶴だった。でも取り乱すところはぐっずぐずに崩れてたから、そういう脆いところがまた原田に守りたいと思わせてるのかなって…。歌声も隅々まで響く感じで、芯のある強い子だった。CERO-Cの例のシーンもかわいいのに全力で色っぽくて見てるこっちがアワワワワワってなってた。全然話変わるけど、奇譚のバクステで土方の吸血シーンの場当たり中に双璧が客席できゃいきゃいしてるところ*6が好きで、今作もあれやったのかなと気になった。双璧が仲良しなところください。

双璧といえば「戦える状態かどうか俺が確かめる」からの手合わせな! なぜかテンションが上がりすぎて双眼鏡で沖田定点してたから途中で全員出てきたことにすら気づかないポンコツだったしなんなら記憶が若干飛んでるんだけど、黎明録での双璧手合わせに比べるとほんとに沖田が辛そうで…斎藤もしんどいんだろうなと(沖田定点してたから表情見てない。ごめん納谷さん…)こっちもつらくなった。なんでここ定点してたんだろう自分…今回、輝馬さんが出てるところは表情の細部や声のトーンも思い出せるのに荒牧さんが出てくるところは記憶の混濁が激しい…何故…。

感想長すぎるな?

ほんとはもっと書きたいことあるんですよ。風間の声が原作寄り*7だったとか、納谷さん声ひっく!!!とか、新八の解釈違いが解消されてるとか、平助身軽だなとか、不知火の過去篇を熱烈に希望してる話とか、あとヤイサメロディの「鬼として認められる~」を受けての風間パートが鈴木勝吾さんのオク下でこれがまたよく響くこと…てか音圧が全体的にやばい、ビリビリ来るとか。でもさすがに語りすぎたし沖田が出てくるシーンでの記憶の混濁が激しすぎて動揺してきたのでいったんここで終わり。

実を言うともう1枚チケットが用意されてて、そこの席がまたなかなかにすごいところなのでもう一度見て今度は記憶を正しく保ったまま感想を書きたい。

2017.04.27 朝 追記 ブログ等で確証が持てたので追記。

休憩中に健人さんとすれ違いました…客席入り口でお水飲んでたらすぐ目の前をすーっと通っていかれて思わず吹くところだった。すっごく背が高いし顔ちっちゃ!!!うわ!!!ってなった。他にもツッコミが激しい方の和田さんとか、2代目平助役の小澤さんとかが来ていたようで仲良しっていいなと…。てか意外と気が付かないものなんだね…。

*1:PSPのやつを購入した。あとは沖田・土方・風間ルートが残ってる

*2:なんといっても子供が生まれてる

*3:どこかの感想記事で読んだきりなのでよく覚えていない

*4:荒牧さん本人の後輩っぽさ・弟属性もあいまって

*5:トキメン~~~~~! あそこは沖田と山崎じゃなくて荒牧さんと高崎さんだったよ~~~~

*6:斎藤「ドキドキしてきた…」のあたり

*7:トーンはともかく津田さん独特のうなる感じがすごくよく出てた