北千住が意外と遠いことを自覚しながらさよならソルシエを見に行った。
観劇記録
- タイトル:ミュージカル さよならソルシエ (再演)
- 日時:2017年3月19日 17時
- 場所:シアター1010
ちなみに今は初演DVD見ながら記事を書いている。
座席位置
2階のセンブロ、少し下手寄り。同じ公演の客席の中では一番遠かったと思う。
ストーリー
ほぼ原作通り。大きな違いは以下。初演との違いは今見てるのでわからん。
- 原作第11話(フィンセントの人生を作り替えるようもちかけるところ)が冒頭に来る
- それに伴って、ジャン・サントロが時折画家仲間やテオと話すシーンが挟まる
- 雪の中でおばあさんとフィンが話すシーン・子供時代の回想はカット
後者は個人的に作中で好きなシーンだったので、難しくはあるが出してほしかった。
一幕・二幕の切れ目は原作の一巻・二巻の切れ目と同じ。
印象に残ったところ 箇条書き
- 2階席から見ると、照明がめちゃくちゃ綺麗に見える。冒頭のピアノが始まって、イーゼルに当たるスポットが窓の形になっているところからしてもう引き込まれる。前のほうだと床に当たる照明は見えないのでここは2階席でよかったと思う。
- 好きな照明第一位は「アンデパンダン展当日にドアを開けたときに差し込む光」、第二位は「2回目のモンマルトルの丘で客降り直前に一階席前方を照らす光」。期せずして両方とも「モンマルトルの丘」に関わるシーンだった。
- テオが「さて諸君、ここから話す話は、墓場まで、いや、あの世まで持っていってもらいたい」というところからもう魔法にかけられている。もっと静かに淡々と言うイメージだったけど、あそこまで芝居がかっていると、こちらも巻き込まれたように思えた (帰りの電車に乗るまでは感想記事を書くのをやめようかと思った)
- このミュージカルの特色の「BGMはすべてピアノ」が非常にうまく働いている。あの舞台に派手な音楽は合わない…と思う。生演奏なのもポイントで、奏者が次のタイミングをうかがう視線が妙にリアルだった。
- BGMが途中で切れるのも、生演奏が途切れると思うとものすごく生々しさを感じた。シナリオが虚構性を増していくのに、ピアノ演奏だけがずっとリアルに響いてるのがシナリオと現実を結ぶ橋になってるように思えた
- BGMもセリフも動きも何もないシーンの緊迫感がすごく好きだ。もとから静かな劇だが、そこがさらに引き絞られて背筋が伸びる。また、二幕最初は照明が落ちる前にピアノ演奏が始まるが、最初の一音が響いて会場が静まり返る瞬間も好きだ。休憩がある劇は初めてだったが、この瞬間が二度あるのはいいかもしれない。
- 特に一幕で顕著だったが、シナリオに一切関係しないのに舞台上にいるジャン・サントロと画家仲間がいい感じにシナリオの作り話らしさを増していた。最後に出来上がる「炎の画家」と、舞台で表現された「怒りの感情が欠落した画家」、両方が作り話のように見えてくる。
- 全体的に歌がうまい。伴奏がピアノだけだからごまかしがきかないのにひっかかる部分がまったくなかった。というかアンサンブルもうまいな? アンサンブルメインの歌あったよな?
- 3年後のシーンで出てくる「一つだけキャンバスがかかっていないイーゼル」とそこにかかる「テオの帽子」がテオドルス・ファン・ゴッホの人生を象徴しているようで悲しくなってくる
- 一度テオが押し倒した後、それをフィンが立て直すシーンが作中で一番涙腺を持ってかれた
- 教会のシーンで銃を突きつけられたテオが1回だけこちらを見てニヤッと笑うのは意味がわからなさすぎて逆に心に残る。あの表情でシナリオそのもののリアリティがいい感じに欠落する感じがした。
- そういえば教会でフィンが耳を撃ちぬいたときに床にまで血が垂れてる描写はぞっとした。その後の暗転で拭き取られてた(そこだけ床の色が違うのが見えた)がそこまでリアルを追うのか…とちょっと背筋が冷えた
- ストーリーにまで言及すると個人的にものすごく抉られるのでこれ以上書くのはまた次の機会にしたい
- カーテンコールのはけ際にゴッホ兄弟が抱き合ってぐるぐるしてるのを見てめっちゃ救いを感じた…幸せはここにあったんだ…
アフターイベント「モンマルトルの丘 スペシャルVer.」
Kimeruさんがはっちゃけて輝馬さんがふざけるいい感じにゆるいイベントだった。
挨拶
- 「ポール・シニャック役の上田堪大です」
- 「エミール・ベルナール役のTERUMA*1、輝馬です」
- 「アンリ・ド・トゥールーズ・ロートレック役、SORI*2…反橋宗一郎です」
- 「ポール・ゴーギャン役のKimeruです」
- 輝馬・反橋「ノれよ!!」*3
練習
上田さんが説明を担うことになるも、うまく説明できずKimeruさんが「10分しかないんだぞ!!」と茶化す→Kimeruさんが大体説明して上田さんが補足、その後ろで反橋さんと輝馬さんが爆笑する構図
歌ってみよう
観客が参加したのは以下3か所
歌詞も出たし、身構えてたけどそんなに難しくなく気軽に参加できた
客降り
- 1階の前方あたりがメイン
- 途中からテオ(良知さん)とフィン(平野さん)もそれぞれ上手・下手の扉から出てくる
- この演出はアフターイベント2回目かららしい
- 筆を通路側の客に向かってぴっぴっと振ってた
- 客降りする前の輝馬さん、床に落ちたままの紙を集めて何をするのかと思いきやテオのものまねを披露する (後ろ向きで手をばっと広げて紙を飛ばす→振り向いて帽子を目深にかぶる)
- 帽子の仕草は最後はけ際にもやってた
コメント
- フリーダム平野さん
- 「紅白狙ってます」
- 「朝、劇場で照明さんとかが早くから調整しててね。ピアノのXXさん*4も早くからピアノで全然違う曲弾いててね…それが落ち着くというか」
- 「こうして笑顔を見れてうれしいよね」(みたいなものすごく中途半端なところでコメントが終わった)
- 良知「え、ここで返すの?!」
- 良知さんがいい感じにまとめてた
- 良知「拍手してくれた人は明日も来てくれると信じてるから」
- 平野「こんなにいっぱい当日券に並んだら見れないよね」
- 良知「そのくらい人気なら紅白出られるかも」
- 平野「なるほどー」
総合
原作がいい感じに編集されて、ゴッホ兄弟特にテオの生きざまがリアルに浮かび上がってきて心抉られるやつだった。千秋楽に同行することになったのでもっと近くでもう一度抉られてくる。