行く末トーキー

はじめからはじめよ

演じてみせる ― 明治座創業150周年記念 大祝祭

お前を見ようとすると……お前が見られない…………!!!!!!

鑑賞の記録

  • タイトル:明治座創業150周年記念 大祝祭
  • 日時:2023/04/01 15:00・18:30
  • 場所:明治座

明治座さん150周年おめでとうございまーす! 記念イベントに推しが呼ばれたので行ってきた。

それにしてもこの土日にぶつけるかぁ~~~って頭抱えてる。昨日から映画やってんの! 映画館にも行きたいの! おたくの身体は1つしかないの分かって? マチネ前に4DXキメて明治座まで爆走した。開演10分前着。開場時刻までに会場最寄りに着いていたいせっかちには厳しい日程。

映画の感想も書きたいんだけどそれどころではない忙しさ。たいへん。おたくの身体は1つしかない。

明治座エアウィーヴ

12月ぶりの明治座。座席に置いてあるクッションが進化してて、座面と背もたれの両方をカバーする形式になってた。「明治座エアウィーヴ」って書いてあるから特注品かもしれない。1階席にしか座ってないので2階3階がどうなったかは不明。

座った瞬間はすごく心地よいんだけど、私とはちょっと相性が悪いみたい。2時間足らずの公演なのに終わる頃にはおしりが痛くて痛くて……。なんだろ、本当に相性の問題だと思う。前のクッションでは大丈夫だったし。

本編

なんだかよく分からなかったけど楽しかった! 異文化交流というか、見たことがあるような、聞いたことがあるような、っていう薄っすらした人たちが目の前にいていろんなことをしてくれる。まさにお祭りだった。

紀香さんのドレスめっっっっっっっっっっっっちゃ綺麗。美しい。マチネで初めて出てきた瞬間目が潰れそうだった。

1部 中川晃教さんの歌

ミュージカルの一部の曲だけ披露って形式を初めて見た。チェーザレ銀河鉄道999・ハイスクールミュージカルの3作6曲……かな? チェーザレの区切りがちょっと分からなかった。

どれもあんまり知らない作品なのに、歌を聞くだけでなんとなく為人が分かるというか、こういう状況なんだ!ってのが伝わってくる不思議な体験だった。特にチェーザレとジョヴァンニ(鍵本輝さん)のデュオ。チェーザレが何かをやらかして(自ら仕掛けたっぽい?)、ジョヴァンニがそれをヒヤヒヤしながら見てるシーンだって一発で分かるし、ジョヴァンニのお人好し・善人感とチェーザレの抜け目なさというか信用できなさもすぐに伝わってくる。ジョヴァンニ……そいつは信頼しちゃ駄目な男では……?って全然知らないのに心配になった。ストーリーちょっと調べてみようかな。

中川さんは30代後半(初演・中止)→40歳(再演)で16歳のチェーザレを演じることになって、本当に自分でいいのか?って思いながらも演じていたらしい。どちらの年齢もあまり存じ上げないけど違和感はなかった。チェーザレはちょっと青臭い感じが出てたし。後に紀香さんが「何歳でも演じられるのが演劇のいいところ」って言ってて、確かに……と頷いた。

チェーザレ明治座のオケピを初めて使った作品でもあると聞いた。オケピある劇場なんだここ……。そこまで深くなくて、前方に座っている人の頭の位置≒指揮者の頭の位置なんだって。機会あれば明治座オケピ体験してみたい。気になる。

2部 コロッケさんのモノマネショー・七海さんのパフォーマンス

テレビで見たことある人だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

本当に正直に言うと、私の見識が狭いせいでモノマネはほとんど理解できず、ただコロッケさんの表情の変え方がすごいなぁと驚く時間だった。かろうじて「ロボットひろし」は年末頃にテレビで見たことがあったような……なかったような……。いやでもすごいね。人間の表情筋ってあんなに動くんだ。

1部と2部のつなぎでコロッケさんが中川さんの真似をするんだけど、マチネ→ソワレで進化してて、この人すげぇ……って一番びっくりした。この短時間で磨いてくるのか。これがモノマネでご飯を食べている人の仕事か。すごいなぁ。プロだ。

七海さんは動くと華がある。自分のソロ曲(花に嵐)がすごくおしゃれで! 歌詞は和風だけど曲はジャズっぽい。その合わせ方素敵。

マチネは七海さんが合流したタイミングでスタイリッシュ体操をやった。あと武田鉄矢の真似を教えてもらった。私は武田鉄矢になれる(なれない)。スタイリッシュにもなれる(なれない)。

3部 朗読劇「男の花道」

これがね~~~~~~~すごく良かった。

女形の役者(加賀屋歌右衛門)を荒牧さん、蘭学医(土生玄碩)を紀香さん。その他の人物とナレーションが武岡淳一さん。

歌右衛門と玄碩、最初は逆じゃないかな?って思った。そもそも男女ペアで演る朗読劇になぜ男2人の物語を選んだのかもよく分からないし。明治座でも上演したことがある話らしいので、だったらまだ歌右衛門を紀香さん、玄碩を荒牧さんの方が設定的には近いんじゃないかなぁ、みたいな。歌右衛門女形で声も高いから、女性が演じても違和感はないよなと。

でも終わってみればこの配役がばっちりなんですよ。逆だったらむしろここまで感動しなかったかもしれない。「女形」と「女」は違うんだよね。歌右衛門の高く、掠れ震える声は「女を演じる男」じゃないと出せない。「女が演じる女形」だとちょっと女っぽさが強くなりすぎそう。その匙加減がすごく好みだった。

うっかりオペラグラス忘れちゃったから後方でも肉眼で見るしかなくて、だからこそ、舞台の全景で味わう朗読劇がとても贅沢だった。オペラグラスを持ってるとどうしたって表情に注目して場面の想像は後回しになりがちだからね。台詞とちょっとした動きしかないけど、玄碩と歌右衛門の間の絆がありありと伝わってくる。玄碩の手紙を受け取って歌右衛門が劇場を抜ける時の、歌右衛門の切実さが目に浮かぶ。

1部で紀香さんが中川さんに「何歳を演じてもいい」と言ってたのがここで効いてくる。40歳が16歳を演じてもいいし、女が男を、男が女を演じてもいい。その自由さを改めて実感した。朗読劇っていう要素を削ぎ落とした形式だからこそ、いろんなことを想像できて楽しかった。

にしても歌右衛門の姿の荒牧さんほんとかっこいい……………!!!よっ和装が似合う男!

(この企画そのものはよく分からんがとにかく写真を見てくれ)

なんだかよく分からんと思いながら参加したけど、思った以上に楽しめて良かった! しかしマチソワ+映画1本はつらい。あと合間に各種エイプリルフールも追いかけてた。かなり漏れた。しょうがない。

そして今日一番のハイライト。

マチネ終了時刻=ソワレ入場開始時刻。劇場の出入り口ではソワレの入場待ち列ができてた。一旦離脱して食べ物買いに行ったので何分遅れで入場が始まったかは分からないけど、開演は時間通りだったので明治座のプロ根性を見た。ソワレでスタイリッシュ体操やらなかったのは多分マチネの反省だろうな~。