行く末トーキー

はじめからはじめよ

筋書き ― 舞台「憂国のモリアーティ」case 2

あっっっっっっっっつい。去年導入したクーラーが大活躍。

観劇の記録

  • タイトル:舞台「憂国のモリアーティ」case 2
  • 日時:2021年7月24日 12時
  • 場所:新国立劇場 中劇場

駅ほぼ直結は正義。

座席位置

1階下手。客席が扇状に広がってるけど思ったより極端な見え方はしなかった。やはりちゃんと設計された 劇場 はいい。お手洗いの数が少なめだったのと、客席だと電波が弱く感じたのがいまいちと言えばいまいちだけど、メインのお芝居が見えるのが何より大事だからそんなもんだ。

そういえば、大抵の箱が終演後はお手洗いを封鎖するけど、ここは終演後も使えたのが意外だった。なんか対策でもあるのかな。数が少ないから清掃に時間がかからないとか?

雑感

1作目と今作では世界の状況がまるっと変わってしまったなぁと思う。1作目(2020年1月〜2月頭)って、今振り返るといわゆる「コロナ前」最後の時期だった。どうやら危ないらしい、今までとは違うっぽい、と思いながらも、なんだかんだ無関係でいられる、大してひどいことにはならないだろうと思いこんでいた*1頃。2月中旬からはなんらかの対応が始まって、3月からは中止も増えてきて。再開したらしたで演者はマウスガードをつけてるし、こっちもマスクやらフェイスシールドを求められるし。以前のように「行くかぁ」で行ける訳でもない。チケ代もやたら高いしね。

でも、この作品は、1年半前の「あの頃」があった、気がした。具体的にどこがどうとは言えないけど、この1年半で一番リラックスして見れた。コロナ前から始まったシリーズ物だけど、マウスガードとかそういう明確な変化が見えなかったからかな。

話の筋は相変わらず爆速で進む憂国のモリアーティなんだけどね……w 1つのエピソードを語る必要十分な要素は全部盛り込みつつ、でも最後に差し掛かると「え?もう終わり?」ってなる。事前の情報で二人の探偵はやるらしいと知ってて、でも1幕で二人の探偵始まって終わったから、休憩入った直後は「2幕何やるんだ……?」って真剣に考えた。ジャック・ザ・リッパーだった。

原作があるからこその大胆な省略だった。オリジナルの脚本なら、世界観やら何やらをちゃんと説明しなければ伝わらない。でも、いわゆる「2.5次元」は原作ありきで作るから、ある程度の省略が許される。原作を知らない人にも分かるものにすべきかという問題は一旦保留ね。全部は載せられない、表現しきれないと分かりきっている中で、何を選んで何を捨てるか。ここまで分かりやすく取捨選択の結果を示されることもあまりないから、それが少し珍しかった。ノアティック号は気配しかなかったしね。観客を信じて委ねてくれる(ここは想像で補ってもらえるだろうと踏んだ)部分と、しっかり説明したい部分のバランスが心地よく感じた。

モリステは原作に忠実でありつつ、舞台としても面白いと感じる。爆速だけど。原作にもいくつかのテーマや側面がある中で、今作はこれを伝えるって決めて、そこに必要ない、あるいは役割が重複するエピソードはばっさり落とす潔さが好きなんだと思う。つまり話の再構成がうまい。

明日も見に行くから楽しみだ〜。

*1:SARSが世間を騒がせてた時期はなんとなく覚えてて、あれもすぐ聞かなくなったから今回も大丈夫だと思ってた