行く末トーキー

はじめからはじめよ

視線 ― ネット配信舞台『サイレント ヴォイス』

久しぶりに演技する推しを見たという話。いつぶりだ……(記録を掘り返す)……能楽男師(3/15)ぶりだからちょうど2ヶ月! うわ。こんなに間が空いたの初めてな気がする。公演数が多くて日本各地を巡る作品でも2ヶ月は空かなかったと思うんだが。

鑑賞の記録

  • タイトル:サイレント ヴォイス
  • 日時:2020年5月16日 15時

uchigeki.spwn.jp

18時半公演のチケットも買ったんだけど、ばたばたしてて半分くらいしか見られなかった(これ書いたらアーカイブ見る)ので、とりあえず昼公演のみの印象です。

あちこちで配信やってるけどまともに見られないって話は1個前に記事に書いたよね。あれから状況は変わらずです。推しさんのニコ生とかSugarは見られるし、推し事関係ないところも含めればゲーム実況なんかはわりとよく見てる。BGM代わり。だから「動画を見る」という経験そのものができない訳ではない。自分の中で「お芝居は劇場で見るもの」「映画は映画館で見るもの」という刷り込みめいたものが強いのかなぁ……という仮の結論を出してる。

今回の配信もそんな感じだった。一応気が散る要素はなくそうと関係ないブラウザを閉じて事前に雑事を片付けておいたけど、それにしても集中できない。題材が重たいから集中して見たいのに、どうにも上手く行かない。劇場で見たらもっと違っただろうなぁ……と思わざるを得ない。早く収まらないかなぁ。

ストーリー云々以前に何が違うんだろうと思いながら見てて、一番違うのは視線の向く先だと気付いた。弁護士が2人に被告が1人で、大半の場面は弁護士と被告が話し合っている。だから普通の舞台だと2人が向かい合う形になると思うんだけど、この舞台では全員が前(=客席側)を見てる。しかもカメラ目線になると「自分と目が合ってる」感がすごい。それが、なんというか「客席にいる自分」という没入感を得づらくしているのかなと。上半身しか映らないし、基本声と表情しか分からない(それも時々画質が悪くなったり固まったりする)から得られる情報量も少ない。普段お芝居を見る時は五感をフル活用してぐわーーーーーって集中するモードに入るのに、得られる情報が少ない+ノイズ(周りにある無関係なもの、たとえばスマホ)が多いので集中力が無駄になってしまう。

そして記憶に残らない。まだあとちょっとアーカイブ見られるから油断してるのもあって、大まかな話の流れしか思い出せない。演技がどうとかまで感想が行き着かない。さらーっと流し見た時と同じレベルの内容しか残らない。他の配信に比べればこれでもまともに見てたと思うのに。

推しさんが演じているところが見られる!って楽しみにしていたけど、今の感想は「ものすごく消化不良」。配信劇でなければ、朗読劇でなければ、多分こうしたんじゃないかなってのがなんとなく想像できるだけに、物足りなさがすごい。でも、できることをやっていこうとする姿勢はありがたいし、まだまだ自粛時勢が続きそうだからこれにも慣れていかなきゃならないのかなぁ……。慣れたくないな。早く劇場で芝居を見たい。

ただ、ここまで劇場から離れてると、いざ再開しました!って意気込んで席に座ったとして、2時間(場合によっては3時間)ちゃんと集中して見ていられるのかなってのは不安になる。肩慣らしじゃないけど、1時間とか90分とかの短い作品から入っていかないと、かつてできてたことができない自分に苛立って観劇そのものから遠ざかりそうで、ちょっと怖くなった。

作品の感想じゃなくて「配信劇を見た感想」になってる……。

運営側に要望するとしたら、中断はできる限りなくしてほしかった。序盤の1回はしょうがないにしても、終盤のものすごくいいところでブチって途切れたのはかなり堪えた。あれ、演じてる側の気持ちの戻し方も気になるな。

そんな感じです。アーカイブ見てこよ。