行く末トーキー

はじめからはじめよ

テーマ ― イノサン musicale

注意:ルミネとかマルイとかが軒並み21時閉店だから、平日ソワレ終わり(だいたい21:10終演)はエスカレーターに乗っても8階までしか降りられません。エレベーター使いましょう。

というか塞いどいてくれよ……なんで無駄に8階まで降りてから戻らねばならんのだ……。

鑑賞の記録

  • タイトル:イノサン musicale
  • 日時:2019年12月3日 11時半/18時半
  • 場所:ヒューリックホール

別の方から教えてもらったんですが、休憩時間にホワイエ(ロビー)にてちょっとしたお芝居やってました。初日から「なんかわーわー声がするなー」とは思ってた。見なくても本編の理解には差し支えないけど、ちょっと楽しい気分になれる……かもしれない。マチソワ両方確認して内容は一緒だったから、1回見ればよさそう。休憩終了5分前くらいから2分程度、出演者はアンサンブルメンバーのみ、プリンシパルは貴城さん(デュ・バリー夫人)が映像でちょろっと出るだけです。詳細は後ほど。

→ (12/04修正) プリンシパルは貴城さん(デュ・バリー夫人)が映像で少しと、フェルゼンではありませんが鍵本さんが出演します。お題箱で教えてくださった方ありがとうございます。

→(12/05さらに追記) グリファンではありませんが佐々木さんも出ていました。

座席位置

マチネが後方、ソワレが中程。今日のマチソワが収録だったから写り込んでないといいなぁ。

マチネは多分手持ちチケットで一番後ろかな(A席)。さすがにこのくらいになると遠いなって感じた。でも観客席を群衆と見立てる演出のところは確かにいっぱいいるように見えたから、一度は経験しておいてよかった。

雑感

とりあえず休憩時間のお芝居の話をしよう。ホワイエど真ん中のちょっと高いところ(階段のふもと)がメイン舞台。

ルイ15世が貴族女性たちを「触らせて~!」って追い回す→デュ・バリー夫人(映像)で叱られる→ルイ15世「やだやだ! 他の子がいいもん!」で追いかけっこ再開→2階にはける→どんがらがっしゃーん(SE)→レポーターとカメラマン出てくる(結婚報道の2人組)→「緊急ニュースです! ルイ15世が逝去なされました!」→3分後には葬儀が始まるから席に戻ってね、って流れです。階段~2階にいる(壁際に寄せられる)と、かなり近くをキャストさんたちが通り抜けます。1階の劇場入り口付近が一番近いかな。これで全部なので特に中身はない。

では気を取り直して本編の話をしよう。

未だに脚本と喧嘩を続けているし和解の兆しも見えない。

見るたびに「これ原作云々を抜きにしてもなんかおかしくない……?」って思い始めてしまう。ジャックが理想とする社会がアランの理想とは異なる話は前回の記事に書いた通り。無理やり解釈するなら単純な理想の差だろうけど、アランの言葉をあそこまできっちり覚えているジャックが男性優位社会を理想とする、っていうのがちょっと納得行かないよな。

あと、ラストシーンのお説教な。見れば見るほど「なぜこうなった」という思いが強くなる一方でどうしたらいいか分からん。要約すると「自分の人生なんだから自分で考えて生きろ」っていうメッセージなんだけど、なぜこれがラストシーンに選ばれたのかが本当に理解できない。作中の登場人物は全員、時折本能やら欲望やらに負けてるけれど、大まかには「自分がこの世界でどうあるべきか」を生真面目に考えていると思うんだ。それを見て「じゃあ自分たちはどうなのか?」っていうメッセージなのかなぁ……。でも私はお説教を聞きに舞台見に来てないよ。そういったメッセージはこっちが勝手に読み取るから、そんな大げさに言わなくてよくない?って思ってしまう。なんか「この舞台を見た人はこういうことを考えるべき」みたいな押しつけを感じてしまって見終えるたびにもやもやしてしまう。せっかく舞台という観客の想像力が試されるメディアなんだから、もっとこう……考える余地をくれよ……。

そして今回の「ド・リュクセはちゃんと死ぬべき」のコーナーなんだけどさ。今日はマチソワだから、合間を見て原作の展示にも行ってきた。

www.epson.jp

いやあ美しかった……最高だった……劇場から徒歩5分もかからないし、展示そのものも30分見積もれば十分なのでぜひ。てのはともかく。B2サイズで印刷した原作が置いてあって、ちょうどアランが死ぬシーンが取り上げられてる。タイムリー(?) それを見返して、やっぱり「アランがマリーに言ったこと」と「マリーがそれを受けて考えたこと」がすぽっと抜けてる舞台版は、マリーがただの身勝手で傲慢な女性にしか見えなくなってるなぁという思いを強くした。アランは学校に放火して生徒たちを殺したド・リュクセに対しても「殺してはいけない」とマリーを止めるんだよね。彼は法で裁かれるべきだ、という主張を譲らない。で、アランが死んで「お前の夢はマリーが叶えてやる/マリーはマリーのやり方で世界を変える」っていう宣言があり、実際に(ちょっと外道な手段は使ったが)ド・リュクセを正式に裁かせて処刑まで持っていく。マリーは世界の変革を望んでいるけれど、ただ自分の欲に任せて力を使うことはない。自分がどうしたら、どう動けば一番効果的かを考え抜いた上で行動に出る。それがまるっと描かれず、ただブチギレてド・リュクセを殺してしまうのは本当にどうなのよ……。舞台版だと「殺してはいけない」と言われるのはマリーからジャックに変わってるけど、そのジャックもやっぱり王を殺そうとしてるし。アランのメッセージが虚空に消えてしまっている。悲しい。オリビエの処刑シーン後に「王はお前と同じ人間だ」でちょろっとそれっぽいこと言ってるけど割と手遅れというか……そこで何が言いたいんだという……。

ド・リュクセがちゃんと死ななかったばかりにオリビエの心が早々に折れてる気もしなくはない。彼は婚約者が貞操帯を外さなかったという事実を知って絶望するはずなのに、なんかもう裁判の時点でめためたに凹んでいる……。それで民衆の同情は買えるんだろうか……。ド・リュクセが処刑されて、貴族も俺たちと同じように処刑されるんだ!→俺たちは平等だ!って流れが、あったと、思うんだが!

なんか同じこといっぱい書いてる気がするのでこのコーナーおわり。

脚本と喧嘩し続けているから演技について書く前に体力が尽きがちなんだが、今回はちゃんと書いておきたい。

ジャックの怒り方が回ごとに結構違うなぁと感じる。1幕終盤に出てきて通路を上手から下手へ移動しながらの「クソが」とか、毎回ニュアンスが違う。あと今日のソワレで「あれ?」って思ったのが、アランが倒れるシーンのハケ際。「くそったれ」って吐き捨ててたけど、これ前まであったっけ……? あの一言に込められた恨みの濃さに背筋がぞっとした。マリーに向かって「俺はダミアンの息子だ」と名乗るところとか、こう、節々に落ちる影がすごい。前まで怒ってる(感情が高ぶっている)シーンを見ると気持ちが外れやすかったんだけど、今回はそんなことがない。嫌な書き方なんだが、うまくなったなぁ、と感じる。ジャックソロのラストの「どうすれば」の揺れ方も毎回違うからオッてなってる。殺陣は安定の速さだし今回は足技多くて見応えあるし。何より見た目が良い。みつあみ2つって普通に考えればおさげだよな。なのになんであんなに格好いいんだ? 世界一かっこよくおさげを纏える男にノミネートしたい。ブロマイド全部買った。今まで生で見た中で一番好きかもしれない。

毎回始まる前のわちゃわちゃシーンは遠慮なく推しさんを定点してて、マチネは前山さんとスピード(?)対決→ババ抜き(負けた)、ソワレはいろいろな方と腕相撲対決してた。腕相撲の初戦ですぐ負けたやつ、あれはマジなのか? 2戦目はかなり頑張ってたからわざとかなぁ。あのシーン、演出的にはどういう指示が出てるのか気になる。

演技と言えば、この作品は冒頭以外の日替わり部分がないっぽい?と思いきや、フェルゼンが徐々に自由度を増している気がしてならない。「スウェーデンからすごいの持ってきたんだ」がマチネでなんか違うこと言ってる?って気づき、ソワレでは「僕のパンツが日に日に短くなっていくんだ」みたいなことを言ってた(ように聞こえた)。えっマジか。……えっ……? マジで? マジだったらどうしよう。いろんな意味で目が離せない。

それから兼役も把握しようとし始めた。多和田さんと佐々木さんは結構兼ねてるよね。ド・リュクセの取り巻きとニコラが多和田さん……で合ってるかな。佐々木さんは貴族と民衆。前山さんは司祭。荒牧さんは兼役なし。鍵本さんがまだ分からないから結構頑張って探してる。フェルゼンの出番的になんかありそうな気がするんだけども。多和田さんの貴族スタイルも写真出ればいいのになぁ。あのゴールデンな感じ、結構好き。

今回でアランも両方見たし、後はコラボフォト買って脚本と和解するだけだなぁ。和解できるといいなぁ。