行く末トーキー

はじめからはじめよ

老若男女 ― タクフェス 第7弾「流れ星」

なんかお芝居見たいな~と思ったから行ってきた!

観劇の記録

  • タイトル:タクフェス 第7弾「流れ星」
  • 日時:2019年11月23日 15時半
  • 場所:サンシャイン劇場

すごく良かった! 初見時の「あ~~~~~」感を大事にしてほしいから、これから見る予定のある方は見終えてから読んでほしいです。2019年版はまだ名古屋と大阪があるからね。

座席位置

1階中程、ちょっと上手。サンシャイン劇場の1階席って初めてな気がする……? いや1回あるか? でもここまで前方だったのは初めてだと思う。案外に傾斜がゆるいのな。

雑感

すごく良かった………! 今回が再演で、翔さんが出るよ~ってお知らせを見た時か何かに「おすすめだよ」って流れてきたのを見てたんですよね。でもなんか金銭的時間的に都合が付くか分からなくてそのままになってて。で、最近舞台見てないな~なんか見たいな~ってなった時にふっと候補に上がったので、さくっとチケット譲ってもらって見てきました。

まず、客席のバリエーションがすごい。普段見てる作品は大まかに言うと同年代の女性が8割って感じなんだけど、ここは老若男女色とりどりでした。実際に前説で確認してみたら小学生低学年から90歳以上の方までいて、ご夫婦、ご家族、恋人同士、ちょっと大っぴらには言えない関係の方、そして某イベント*1に招待された方、いろんな方が観に来ていました。すごいなぁ。

まず、多分、見た人によって全然違う感想を抱くんだろうなって思った。物語の始まりと終わりが今から約10年前(2010年)。私は「えっもうそんな経った?!?!?」ってちょっとびっくりした。でも親御さんに連れてこられた小学生たちにとっては「生まれる前の話」な訳で。タイムスリップした後の1970年は私も教科書でしか知らない話になる。ヒッピーがどうとか、学生運動がどうとか、知識としては知ってるけれど体験としては知らないから「へぇ」で終わっちゃう。けれど例えば90歳以上の方なんかだと「懐かしのあの時代」って感じになるのかな。年が同じでもこれまで過ごしてきた時間によって、謙作さん、先生、夏子さんの誰に肩入れしたくなるか変わりそうだし。再演されるのも納得だなぁ。

最初はなんかコメディで行くのかな?って思って、実際中盤の親父さん大暴走シーンは泣くほど笑った。今でも思い出すだけで笑う。舞台が崩壊してた……www 結局あの宝石泥棒の後どういう流れで「正式に押し倒す」になったんだろうw それ以外もヨージが出てくるだけで笑ったし、駒村さんの×ポーズでくすくす笑うし、兼子さんの朗読シーンは意味の分からなさに笑ったし、「フェス」の名に相応しく笑顔がたくさんあった。

だからこそクライマックスの盛り上がりというか「そういうことだったのか……!」が来るんだよな。夏子さん(現在)が「先生と結ばれたい」って言ってるのになんでマリーは謙作さんの応援してるんだ?って疑問が解けたときの納得感と諦観がすごい。謙作さんがどれだけ夏子さんを思い続けたかが分かった時の「でももうこの人現在では死んじゃったんだよな」っていうね……ほんとに……。マリーと謙作さんが話す時に「人を殺したり、生き返らせたりすると」って出てくるから、最後もしかしてって思っちゃって。でもマリーだって大事だもんなぁ。また88個集めた誰かのところへ向かって、お願い事を1個だけ叶えに行くのかな。

現実に起きたことは何も変わらなかったんだけど、関わった人たちの心はちょっとだけ救われたのかな。救われたんだと思いたいな。そういうちょっと切ない気持ちで終わった作品だった。笑ってた時間の方が長いはずなんだけどなぁ。

もっと時間が経って、誰かと生涯を共にしたいって思った時にまた見たら違ったものが見えそう。衝撃を長く引きずることはないけれど、折に触れて思い出しては「そういうことだったのかな?」って確かめる作品でした。見れてよかった!

*1:最近ニュースで話題のあれ