行く末トーキー

はじめからはじめよ

痛み ― Patch stage vol.13 カーニバル!×13

私はいい加減に新宿~サンモールの所要時間を覚えるべき

鑑賞の記録

  • タイトル:Patch stage vol.13 「カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!」
  • 日時:2019年11月1日 19時
  • 場所:シアターサンモール

タイトルが長い。多分今まで見た舞台の中で一番長いタイトルだと思う。でも覚えられる。

座席位置

前方の上手。やはりサンモールはお尻が死ぬ。最近座りっぱなしで筋肉が弱っている。

雑感

ちょっと話の筋が追いきれなかった感ある。整理しよう。

  • 数万年前?:諸葛亮孔明(の身体をした何か?)が月に来る。復讐のために最強のうさぎを作ろうと、町と牢獄を作る
  • 数万年前?:ウラ(の中身)を初めとした犯罪者たちの魂的なものを月に連れてきて戦わせ始める
  • 数百年前?:無銘、1回目の牢獄入り。ウラを倒して脱獄、地球に帰る
  • 数百年前?:月から無銘の記録が抹消される。石版があちこちに作られ始める
  • 現在(劇中冒頭):無銘、2回目の牢獄入り。記憶を失う
  • 劇中最後あたり:諸葛亮孔明(の身体をした何か?)が戦いに飽きて眠りにつく
  • 劇中ラスト①:ウラが無銘を倒し、地球に戻る
  • 劇中ラスト②:無銘たちが目を覚まし、再び戦い始める

ってことかな? スピーカーとの位置関係で、舞台の奥の方(八百屋より奥)に行ってしまうと結構声が聞き取れなくて……。ウラ(の中身)は牢獄にいる罪人たちよりもたくさんの人を殺している罪人で、強さを増すために諸葛亮孔明によって「ウラ」という人格に閉じ込められる→みんなの戦いぶりを見て成長して覚醒、ってことだよね? チンギス・ハーンは石版を読んで諸葛亮孔明の狙いに気付いて阻止しようとしてた?

無銘の正体は義経……ではなさそうだな、とは分かる。義経が持っていた刀を譲り受けた(もしくは似た刀を持っていた)誰か、という印象を受けた。「切ることしか能がない」けれど「せめて1つはいいことをしたい」から、ウラを地球に帰すために再び牢獄に来た……のかな?

って感じでストーリーはちょっと消化不良を起こしてますが、お芝居は面白かったです。アフトで脚演の細川さんが「アンサンブルも含めて全員に見せ場があるように作った」って言ってて納得した。ぱっちは初めて見たし、名前と顔が一致するのが4人(松井さん・近藤さん・竹下さん・新さん)しかいない上に役柄もちょろっとしか調べなかったんで、最初は「えっと……今の誰だっけ……」ってなったのな。お芝居見るのも久しぶりだったし。でも見ているうちに全員の良さみたいなものが見えてきて、ああかっこいいなぁ、って素直に思えた時間だった。全員の行動に矛盾がない、無意味な行動がない、っていう部分も意識して作ったらしく(細川さん談)、だからストーリーを多少把握しそこねても「多分こういうことかな?」って補完しやすい。作品のために集まったメンバーではなく、劇団として長く一緒にやってきたからこそ見せられるものもあったように思う。何も考えずにただ見てケラケラと楽しめばいい、ってほど気楽ではないけれど、見た後に立ち上がれないほど打ちのめされる訳でもない。負荷のかかり方がちょうどよくて、見た後ちょっとすっきりした気分になれた。

テーマは結構重たいんだけど、時々ギャグが挟まってほっとできるのも良かった。ばらのかーおーりー♪ とか、それ前半全然必要ないよね?とか、まだ死んでないの?不死身なの?とか。緩急のバランスがめちゃくちゃ心地よいんだよな……。ガッと入り込みたいなって思った時は真面目なシーンが続くし、ちょっと一息つきたいなって思ったタイミングでちょっとしたギャグが入る。何気ない作りをしているようでかなり練られた構成だなぁ、と感じた。

キャラはねぇ……ドク・ホリデイがよかった。まず出で立ちがいいよね。黒ずくめのガンマン。あと主従関係で言うところの「従」に惹かれがちなのでポジションもドンピシャ。それでいて自分の野心に正直で手段を選ばない。好きポイントしかなかった。弾切れを起こしてからハーンの腹にぶちこむまでの流れ、まじでゾクゾクした。

痛みで心が折れたら終わり、と言いつつも、痛みがなければ強くなれない、っていうテーマの示し方が絶妙だった。指の先がちょっと切れただけの以蔵が「痛い~~~~~><」ってべそべそぐずぐずなっちゃうけど、痛みを受け入れてハーンに斬りかかる瞬間の成長っぷりが眩しい。あと悟空が立ち直るシーン。ブルータス輝いてるよ!

目的はともかく、ただ勝ち続けるだけでは駄目で、痛みを受けても立ち上がる強さを持っていなければ脱獄できないっていうテーマがすとんと入ってきた。

シンプルに面白かったなぁ。東京公演はまだあるし、大阪もあるのでぜひ。

アフトの話

近藤さんwwwwwwwwwwwwwwってなった。出てきてからはけていくまで一部の隙もなくおもしろい。

  • 最初の挨拶が「近藤頌利でした」(終わりそう)
  • 「ここが八百屋舞台になってて……」近藤「へぇ~」星璃「えっそれはフリ? フリだよね?」近藤「いや知らなかったです」星璃「まじで? 勉強して?」
  • 細川さん「印象が違う!」
  • 星璃さん「日本語が分からん」
    • 「日本語難しい」
  • ハーンの役作りのために映画を見て学ぼうとした近藤さん。よく分からないまま、中国語音声に英語字幕の映画を見て、内容を一切理解できないまま「多分こんなもんだろうな~」と思って稽古に励んだ
  • 「偉くて強い人の映像を見ました」「偉くてすごい」
  • 近藤「見た人はわかると思うんですけど」星璃「いや見た人しかいないから」
  • 見る映画を相談するために深夜2時に細川さんにLINEする

近藤さんの名誉のために言っておくとハーンめちゃくちゃかっこいいです。でもアフトでは「どうしてこれがこうなった……?」ってなる。何がどうなったらあのハーンが生まれるのか。

竹下さんが1人だけ私服っぽい感じ(他の出演者は稽古着っぽい服装)で出てきて「さっきまで舞台出てたよね?」「出てたよ?!」(周りを見る)「……確かになんか違う!」とかそういう面白い話もあったんだけど、とにかく近藤さんが意味わからないくらい面白かったです。