行く末トーキー

はじめからはじめよ

言葉の粒 ― ミュージカル GHOST

夏だ!お盆だ!幽霊だ!

観劇の記録

  • タイトル:ミュージカル GHOST
  • 日時:2018年8月9日 19時
  • 場所:シアタークリエ

GEMぶりのシアタークリエ~! やっぱりここの劇場、周りも含めて好きです。日比谷駅からミッドタウンとシャンテの地下を通るのが好きすぎる。客席内...はともかくロビーには電波入ると完璧なんですが...。キャリアだったら入るのかなぁ。

座席位置

後方の上手。プレイガイド1つだけ!っていう演目に慣れてるせいで、どこが空いてるか調べるの結構苦労しました...。あと貸し切り公演(という名目で普通にチケットが買える公演)が多い。ぴあ貸し切り、イープラス貸し切り...あれはどういう意味なんだろう...。そして結局12日の貸し切りはどこのなんだろう......。

今年中に1回は東宝ミュージカル見たいな~と思っていたところだったので、がっくんには感謝です。

雑感

すげぇ。

観劇歴も浅いし、その中でもミュージカルを見たことはほとんどない(ミュージカルと銘打ってるのは薄ミュ・テニミュ・ソルシエ...くらい...?宝塚もそうかな?)ので、2.5でないミュージカルはほぼ初でした。なんか...圧倒された...。最初の曲で鳥肌たった。サムとモリーの声がしっかりと寄り添ってるように聞こえて...冒頭でほとんど何も示されていないのに「この2人は互いのことがとても大事」って伝わってきて、歌の力ってすごいんだなぁ、と当たり前のことを再確認した。

だからこそ、歌「じゃない」部分がすっと心に入ってきた。ラストの「ずっと愛してた」「…Ditto」というやりとりが、これまでの流れ全部を引き受けて、でも歌ではなく言葉で表されたのが、なんかとてもよかった...。

数見てないから全くの勘違いかもしれないけれど、私はミュージカルのことをちょっと違うように捉えていたんだと思う。歌がある、つまりメロディがあることで、言葉では表しきれないものを補完してるんだと思っていた。言っていることは違っても、同じメロディに乗せることで「裏側にある心は同じ」って表したりね。もちろん、そういう面もあるだろう。でも、ミュージカルの意味や価値というのは、歌にならなかった部分にもちゃんと宿るんだな、ということにようやく気がついた。絵を描く時に、光は陰を用いて表現するように、歌と言葉は、互いに光と陰として補い合ってるというか...。歌が歌でなければならないと同時に、言葉は言葉でなければならない。あるべきものがあるべきように、しっくり収まっていて、見ていてとても心地よかった。

がっくんはめっちゃいいチンピラでした...! 公式では役名がわからなくて、どんな役かな~と思ったらわりと重要な役(ただし死に方はあっさり)だったのでHAPPYです。今までは、どっちかというと、どっしり構えた正義の味方~みたいな役を見ることが多かったから、こういう小物な悪役を見れてよかったです。神経質そうなところとか、サムに怯えるところがいい。歌あるかな~と思ったらなかったのはちょっと残念...。でもまた燕尾服見れたし、ダンスもあったし、あ~がっくんだ~!ってなりつつ、新たな一面を見れました。

あとオダ=メイが強すぎて最強だった。森公美子さん。ビジュアル見て、テレビで見たことがある人だ~!ってなって、でもなんで見たのかは全然覚えてなくて。もう出てきた瞬間の「ハイ!」という圧でやられた。強い。1000万ドルの小切手のあたりが好きです。あそこのシーンの終わりで「主よ......やべぇーーーーーーー!!!!」って叫んで倒れた人も好きです。そりゃやべぇよな。

浦井さんもすごかった...! 以前から名前だけ見たことがあって(デスミュ)、歌がすごい、って書いてあったから楽しみにしてたんですよ~~~~すごかった。音域が広いのと鼻歌がかわいい。後ろの方だから表情はほとんどわからないんだけれど、声を聞くだけでどういう顔をしてるかわかるというか...。かわいいとかっこいいが奇跡的なバランスで成立してて感動しました。あと幽霊になってからの視線や手の動きが...!交わらない感じがさりげなく出てて、さっきまで普通だったのに...と現実から引き剥がされて私まで寂しくなった。だからこそ最後にモリーと目が合って、ちゃんと「愛してた」って言えるところが好きなんだよなぁ。

見れてよかったなぁ! 照明もきれいだし、劇場は快適だし、やっぱり一瞬の心地よい夢っていいですよね...。目が覚めたらつらい現実が待ってるかもしれないけれど、でも今だけは...っていう切なさがありました。