行く末トーキー

はじめからはじめよ

本当はどこにある? ― もうひとつの地球の歩き方

ハードスケジュールだぜ。

鑑賞の記録

  • タイトル:虚構の劇団 第13回公演「もうひとつの地球の歩き方 ~ How to walk on another Earth ~」
  • 日時:2018年2月18日 14時(大千秋楽)
  • 場所:東京芸術劇場 シアターウエス

ネタバレも含めてつらつらと書いていきます。

演目以外の話

おすすめされたので行って参りました。予定の立て方が下手で、最初の東京公演は逃して、凱旋も大千秋楽しか行けそうにない...しかも当日券...当日券出てるかもわからん......とおろおろしてたら、当日引換券の発売開始をすぐ教えていただけました。ありがとうございます。

小野川さんはミラステ、バンビ以来ですね。小野川さんは見るたびに素敵だなぁと思います。

入り口で、チラシと一緒に鴻上さんのご挨拶文をいただきました。B5ノートの見開きに手書きで用意したものをコピーした紙です。内容もあいまって、お手紙を受け取るってこういう感じなのかなと思うと精神が若干不安定になりました。最近安定感を失ってばかりですなぁ。この挨拶文って千秋楽だけですか? それとも毎回?

終演後、それなりに早めに外に出たはずなのに、劇団員の方々が物販呼び込みしててびびりました。素早い。立ち止まってじっくり話してる人もいてカルチャーショック!

座席位置

後ろの方のちょっと下手寄りでした。席が増設されてて、隙あらばパイプ椅子をねじ込んでました。近くの方が座席を見つけられなくて、係の人が「ただいまご用意いたします」ってパイプ椅子持ってきた時はびっくりした...。ご用意(物理)。このくらいの力技で常にご用意されたいわ~。

雑感

見に行けてよかったぁ~~~~~~! 楽しかったです。あらすじだけだと話がぜんぜん見えてこなくて、一体どういう話が始まるのかそわそわしてました。始まってみたら、何処かで聞いたことがあるニュースをうまくはめこみつつ、フィクションも織り交ぜつつ、ですごくバランスの良いお話を見ることができました。HAPPY! オチはちょっと雑多というか力技だったかな、と思ったけれど、スッキリまとまっててほくほく気分で帰れました。

天草四郎という人物像を中心に、「本当」と「嘘」がいい感じに混ざり合ってるのが見てて気持ちいいんですよ。嘘が混ざるからこそ、本当に伝えたいことが浮き上がってくる。この作品は「本当は何をしたいのか」とか「生きた証を残したい」ということを伝えたくて、生きた証が残らなかった=虚構の存在に片足を突っ込んでいる天草四郎を中心に持ってきた。このバランスがすごく好みだったなぁ...。あらすじで天草四郎と見た時は「なんで天草四郎?」ってなったけれど、確かにこの作品で中心になるのは天草四郎じゃなきゃ駄目だった。必然的な虚構だった。すごいなぁ...。島原・天草の乱で農民たちが「天草四郎」に幻想を見たように、現代ではAI天草四郎や、そのもととなった逸話に天草四郎の幻想を見る。この構造すっごくぞくぞくする...! 結局は自分が見たいようにしか物事を見られないんだってスパイスを味わいました。

天草四郎(森崎)のカリスマ感すごいですね...。こう、なんだかわからないけれど「この人なら何を言っても大丈夫」っていうオーラがすごかった。右衛門作が手をついて謝っているときの薄い笑顔が人外でしたね...。人間らしさとは「恐怖」を感じること、ってあったけれど、彼は多分何も恐れることができないんだろう。そこが右衛門作や森崎との一番の違いだったのかな。そこがお互いにわからないから、分かり合えなかったように思う。

そういえば、カーテンコール(斬新なスタイル)で出てきた人数が思いの外少なくてびっくりした。なんかもっといた気がするんだけれど、出る度にやっぱりこれしかいない...あれ...?ってなった。最近見た作品がどれも人数多めだったからかなぁ...。もっとわちゃわちゃしてるところなかった?誰か分身した?

行けてよかったなぁ。やっぱり行きたいってときはギリギリまで粘るの大事ですね!