行く末トーキー

はじめからはじめよ

台風 ― THE BAMBI SHOW ~2ND STAGE~

軽率に行動するスター芸人です。どうもこんばんは。

刀ステ小田原の当日券情報が公開されてびびってます。あるのかよ! ないと思ってたよ!

それはそうとバンビショウ見てきました。バンビってなんだったんだろう。

観劇の記録

  • タイトル:THE BAMBI SHOW ~2ND STAGE~
  • 日時:2017年11月20日 19時
  • 場所:CBGK シブゲキ!!

ネタバレあります。

観劇のきっかけ

こんな記事読んじゃったら軽率に行動せざるを得ないでしょ。

korilakku.hatenablog.com

これに加えてTwitterで直接宣伝されまして、これは軽率スター芸人として行くしかないなと読んだ数十分後に予約しました。

ダイマされるとすぐチケット買っちゃうからな~~~~~~お財布がやべぇな~~~~~~~~!

座席位置

後方の上手。神の見えざる手により上手だった。一般発売ならいつものリストから逃れられると思った自分が阿呆だった…ほんとにまじでなんなん?

シブゲキは秋のBSPイベント以来かな。椅子はふかふかなんだけどとにかく足元が狭くて人を通す度に立ち上がらなきゃいけないのが辛い。どっちかというと通路のほうが近かったしもうちょっとぎりぎりに座ればよかったかなぁ。

雑感

大人が真面目に巫山戯るって言うから全力のコメディかと思ったのに全然違うじゃん!!!!!!!!!!!!!!静かに静かにHPを吸われるタイプの攻撃を受けた。見た後にパンフ買ったからまだ読んでないんだけれど読んでから考え直したらまた違った風に見えるんだろうなぁ。

娚の一生に「おとなの結婚には あれがある これもある それもある ……でしょ」という一言が出てくる。この作品を見て真っ先にこのフレーズを思い出した。大人というのは、ただ笑うだけでもいろんな事情がある。いろんな経験があって、そこから育てた価値観を通して物事を見て、笑う。あれがあるし、これもあるし、それもある。ただおもしろおかしく物事を飾り立てただけでは笑えない。それが大人の悲しいところでもあり、おもしろいところでもある。あれがあるし、これもあるし、それもあるからこそ、ささやかな一言で笑ってしまうこともあるし、涙を落とすこともある。そう考えると大人って豊かな存在だなぁと思う。

この話は、台風2号が上陸してから、台風32号が通り過ぎるまでの話だ。3号から31号がどういう進路をとったかはわからない。上陸したかもしれないし、大陸側へ逸れたかもしれないし、そもそも近づきすらしなかったかもしれない。とにかく、劇中は常に雨が降っている。電車が動かないことを口実に不倫相手の家に行ったり、運動会の練習ができなかったり、ゴルフの予定が不思議な運動会になっていたり。雨によって予定を狂わされた人たちのささやかな一コマを描いている。そこまでなら(倫理とか道義といった観点からどう思うかはともかく)ただの日常生活に終止するけれど、雨が降っていたからこそ、沢登の人生が終わってしまう。運動会の練習ができないことと同レベルのささやかさで、沢登とその妻と子供の人生が終わる。当人とその周辺にとっては大きな出来事だけれど、大きな視点を取ると、川の氾濫の方が差し迫った危機になってしまう。そのアンバランスさが少しおかしいし、少し寂しかった。

冒頭と最後の劇中劇に「空はまだ青いか?」という問いかけがある。沢登の回想以外に空が青いことはないし、回想にしたっておそらく外を歩いているのは夜だから青くはないだろう。最初はなんだこれ???と思ったけれど、あの劇中では「青い」と答えることができないんだな、と気づいたときの底冷えした感じを残しておきたい。

脚本もよく練られていたなぁ~~~~~~~!って感心した。最初カテコから始まるのは記事を読んで知っていたからそこまで度肝を抜かれることはなかったけれど、最後に「カーテンコール」が持つもう一つの意味を知った時はうわぁ~~~~~~~~~~~ってなった。こういう二重の言葉遊び大好き。カーテンコールを軸にすると、この話は沢登圭輔の終わりと始まりの話だった。人としての沢登が終わって、鬼としての沢登が始まる。幕が下りてから、再び上がるまでの幕間劇を見ていたんだなぁと終わってから気がついた。見慣れた風景が、アングルひとつでがらっと違う表情を見せたように思う。

うーーーんうまくまとまらないなぁ。

近松門左衛門がいい味出してた。登場人物の中で一番好きだったかもしれない。何年もずっと地獄に留まって、男女のあれこれを中心に場を盛り立てて、自分については何一つ語ろうとしない。人を動かすことで鬼を泣かせようとする。地獄だというのにものすごく生き生きしてて、死んでるのに第二の人生を楽しんでやがる…!としか言いようがない。それが最後、アベさんが合格すると同時に地獄を離れる決心をするんだからこの2人の時代と生死を越えた友情本当に貴重だ…。チェッカーになったらなったで、また半世紀くらいは第三の人生?を満喫してそう。もしかして死んだことにすら気づいてないのか? ミチオとサチコの演出をつけているところの嬉々とした表情が本当に「他人の不幸は蜜の味」を地で行ってて好きだなぁ…! それでおまんま食ってたんだもんなおまえ! 事実をいかに色付けるかに命(もうないけど)を懸けてる様子が本当に楽しそうだった。

近松によって過去を引き出されてプロフィールを埋められた人、結構いると思う。沢登も彼の演出によって最後のピースを思い出した。「ずっと『彼女』としか言ってないんだよ。まだ『嫁』とか『奥さん』とか言えるほど長くいなかったんだろう? いたかったんだろう?」が一番鳥肌立った。全然気が付かなかった。どんだけ人のことを見続けているんだこいつ…って少しうらやましくなった。伊達に人の不幸で飯食ってないな。

アベと近松の関係はとても不思議なものだった。アベが合格するのには近松が絶対に必要だった。近松が拷問を拷問と思っていたかは非常に微妙なところ(思っていた半分・思ってたけど開き直ってた半分)なんだけれど…。沢登にとってもそういう存在ができるんだろうか。できたとしたら、沢登の拷問もそう長くは続かないような気がする。人の不幸で飯食ってる人、沢登のところへ逝ってあげてください。彼、多分足早いし気も短いだろうから大変だろうなぁ。

そういえば、狐の面と刀が最後まで舞台上に残っていたけれど、あれはどういう暗示なんだろう? 近松の書いた脚本から抜け出した暗喩? 自分の言葉で自分の人生を語り、プロフィールを埋める準備ができたことを意味してた…のかなぁ。他は全部片付いたのに、(ほんとうの)カーテンコールの後にまでずっと残っていたから気になった。

植ちゃんさんはほんとに小さいのに力強い人だなぁ…! 存在感があるから出てくるとすぐわかる。幼稚園児のときに「はーーーーい!」で両手を挙げてたのかわいかったです。あとちょっとぱんつ見えた。さりげなく群馬をdisったり小野川さんに寝かしつけられたりかわいい。小野川さんは女性としてあんな雰囲気になりてぇ~~~~~ってなる。かわいいというか、おしとやか?というか。大人なんだよな…。

軽率に行って序盤はなんだこれ???状態だったけれど終わってみればめちゃくちゃおもしろかったです。

ただねーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー………

台本買えなかった…

すげぇへこむ…

始まる前は直接のネタバレを避けたいしそこまで好きになれるかわからなくて買わなかった。終わってから買えばいいかと思っていた。

そしたら売り切れてた……

あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー……

次からは気をつけます!